2011年12月24日土曜日

「人間」はどういう存在か

           三上 満
大震災・原発事故のもたらした災害は計り知れない。しかしその中で、私にとって確認できたひとつの事がある。
それは人間というものが持っているふたつの特性だ。ひとつは人間が、立ち向かい挑む存在であるということ。私が訪れた大槌町でも名産の荒巻鮭など水産加工の復活に、ゼロから挑んでいる人たちと交流できた。被災地にはそういう無数の挑みが広がっている。
もうひとつは、人間がほんらい利他的・共感的な存在であるということ。無数の人びとが心をゆさぶられ、いろいろな形で手をさしのべた。私もささやかだが帰宅困難者となったあの日、たくさんの好意を受けた。
誰しもがあじわった大震災後の“人間体験”は、競争や序列化や自己責任が、決して人間ほんらいのあり方ではないということをあざやかに示した。それは人間の明日を拓くことを使命としている、教育のあり方をも深く示唆していると思う。          
           (立ち上がった若いお母さんたち)

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