2019年8月30日金曜日

2019年原水禁止世界大会
 核兵器禁止条約から核廃絶へ
       原水爆禁止東京協議会事務局長  吉田 孝喜

20年は被爆75年を迎える年に

第二次世界大戦末期の二度の原爆投下と東西冷戦下の水爆実験の被爆から、核兵器禁止の声と要求が高まり、核兵器廃絶を求める署名行動が始まり、一九五五年には原水爆禁止世界大会が開催されました。以後幾多の試練を得ながら二〇一九年八月の世界大会まで六五回を数えました。
来年二〇二〇年は被爆七五年を迎え節目の年に当たります。そしてNPT再検討会議がNY(ニューヨーク)で開催され核兵器禁止と核廃絶が本格的に話し合われる年に当たります。
2019年世界大会は核兵器禁止上条約成立へ後押し
201777日、国連総会で「核兵器禁止条約」が122カ国の賛成で採択され、現在(820日)批准国は25カ国となっています。条約発行((50カ国の批准)まで折り返し点を過ぎました。
一刻も早い条約発行に向けて国内外で大きな運動が必要です。
こうした状況の下、原水爆禁止2019年世界大会が開催されました。大会は「被爆75年に向けて核固執勢力を突き動かす世論と世界を各国で作ろう」(国際会議宣言)と呼びかけられ、核兵器禁止条約の早期発効を願う日本中の人々と海外代表が5000人集まり、長崎をメイン会場に行われました。
ニューヨーク世界大会とNPT再検討会議
 大会は最終日に、「長崎からのよびかけ」と特別決議「長崎からすべての国の政府への手紙」を採択して終了しました。
『呼びかけ』では「核兵器禁止条約」成立への後押しのため、①2020年原水爆禁止世界大会inNY(ニューヨーク)開催とNPT再検討会議など国際共同行動への参加、②2020年までに世界で数億の「ヒバクシャ国際署名」の署名運動を、自治体・地域ぐるみで発展させよう。と呼びかけられました。
『手紙』では「すべての国の政府が人類を各破局から救うために4つの行動「①核軍縮に逆行する行動の停止②NPT第6条の交渉義務を果たすこと③反核兵器啓蒙活動をすすめること④核兵器禁止条約への署名と批准をすみやかに行うこと」を提起しました。
世界大会参加で運動の規模の大きさに感動
原水爆禁止世界大会には東京都内の四七の地域原水協、四七の労働組合、団体から毎年多くの代表が参加しました。
「核兵器は人類と共存できない。人間が作ったものは人間が壊すことが出来る。いま世界の大半の国が『核兵器廃絶』の方向に向かって進んでいることが確認できた大会でした。」 との大会参加者感想に見られるように、今回の大会が核兵器禁止条約を推し進めるとともに、世界的規模での運動を見据えた大会であることが確認されました。
署名目標の早期達成とすべての自治体首長の署名を
ヒバクシャ国際署名の取り組みも目標一〇〇万筆に対して六二万筆を超えたところです。町内会や老人会などあらゆるつてをいかして早期の目標達成と、現在23筆の区市町村自治体首長(8区15市)の「ヒバクシャ国際署名」の取り組みを強め、都知事をはじめ都内のすべての自治体首長の署名を達成しましょう。
さらなる運動の発展を
さらに二〇一九年世界大会への東京からの参加者は、初めて600人を割り込み、ここ一〇年間で最低の水準となりました。
二〇二〇年世界大会(NY・広島長崎)に向けた取り組みを早期に行い、これまでの運動のあり方や教訓を明らかにし、運動のさらなる発展をはかりたいと思います。

2019年8月19日月曜日

8月19日

8.19議員会館前行動1600人
佐々木隆博立憲民主党、山下芳生共産党議員挨拶
高田健総がかり共同代表が開会挨拶
高田健さんの開会のあいさつ(改憲勢力が3分の2を割ったのは事実、徴用工の個人請求権は日本政府と日本の最高裁も認めている、有志連合への自衛隊派遣反対、衆院289小選挙区で野党共闘が得きるようがんばろう
立憲民主党の佐々木議員の挨拶
日本共産党山下芳生議員の挨拶

オープニング歌 朝霧
議員会館前コール

2019年8月5日月曜日

野党共闘の威力が示された参院選 改憲勢力は3分の2を割る
法政大名誉教授・東京革新懇代表世話人 五十嵐 仁

注目の参院選の結果が出ました。自民党が57となって改選66議席を下回り、公明党は改選11を3上回る14議席で、与党は71議席になっています。
野党は立憲民主党が改選9を上回り17、日本維新の会が改選7を上回って10、共産党は改選8を下回る7、国民民主党も改選8を下回って6、社民党は改選議席と同じ1、れいわ新選組は2となりました。賛同団体の共産党は比例で1減となりましたが、3年前を1議席上回り、17年総選挙より得票数・率で前進しています。
自民党は9議席も減らして単独過半数を失い、与党は改選前の147から141議席になりました。野党は改選前の89103議席に14も伸ばしています。勝利したのは、与党ではなく野党です。

 改憲発議「3分の2」議席の阻止

 自民・公明に維新を加えても改憲発議に必要な85議席には届かず、参院の3分の2議席を下回りました。改憲勢力も負けたのです。この結果、さし当り安倍首相の改憲暴走にはブレーキがかかりました。
とはいえ、安倍首相は引き続き、改憲に向けての攻勢を強めようとしています。21日夜のテレビ番組で、発議と国民投票について「任期中に何とか実現したい」と語り、「国会で議論が進んでいくことを期待したい」「国民民主党の中にも議論を進めていくべきだ、という方はたくさんいると思う」と述べ、野党を分断し一部を巻き込む意図を明らかにしました。安倍9条改憲をめぐる攻防は、これからも続くことになります。
今回の選挙には、社会の右傾化とマスメディア、とりわけテレビの報道姿勢の変化が大きく影響しました。選挙報道は少なく、NHKテレビは政権寄りの報道に終始し、選挙への関心は盛り上がらず、投票率は戦後2番目に低い48.8%になりました。
政治への不満や批判はれいわ新選組への支持などに示されましたが、広く報道されることはありませんでした。国会で予算員委員会を開かず、野党の出番が奪われました。「改元フィーバー」や天皇代替わり、トランプ大統領へのおもてなし外交などの「目くらまし」もありました。与党の過半数維持は、その結果だったと言えます。

 効果を上げた野党共闘

 これに対する野党の側の対抗策として注目を集めたのが32ある1人区です。ここでは野党の統一候補が10勝し、改選2から5倍に大躍進しました。
数的には11勝した前回並みですが、13項目の共通政策で合意し、心が通う本気の共闘へと質的に大きく発展しています。2選挙区を除けば新人ばかりで知名度に大きな差があり、出遅れや運動期間の短さなどにもかかわらず現職に競り勝つ劇的大逆転の連続でした。
野党共闘でなければ、これだけの成果を上げることは不可能でした。この実績と経験に学び、もっと幅広く、早い段階から市民と野党との共闘を実現し、連携を強めることが必要です。
次の国政選挙が総選挙となることは確実で、選挙区は全て1人区です。参院選以上に市民と野党との共闘と連携、統一候補の擁立が大きな意味を持ちます。この間の経験を生かし、今から準備を始めなければなりません。「共闘の砦」を守るために献身的な努力をし、野党共闘の土台を支えてきた共産党と革新懇の役割はさらに大きなものとなるでしょう。

 解散・総選挙に向けて

選挙の結果、与党は政権の「安定」を確保しましたが、問題は山積しています。外交は波乱含みで、日韓関係の悪化、北方領土交渉や拉致問題の行き詰まり、日米貿易交渉や武器の爆買い、ホルムズ海峡での「有志連合」などトランプ政権からの無理難題も一挙に押し寄せてくるでしょう。
内政面でも消費税の10%への引き上げは確実となり、年金不安や消費不況、軽減税率やポイント還元などをめぐる大混乱は避けられません。米中貿易摩擦による下振れリスク、アベノミクスからの「出口戦略」による国債暴落と経済のメルトダウンも懸念されます。
政治と国民生活の「安定」には程遠い疾風怒濤の航海への船出です。解散・総選挙は2年以内に確実にやってきます。それに向けて、さらなる共闘の進化を。