2023年5月30日火曜日

特徴的な日野の取り組み

日野 大軍拡をくい止めるのは私たち

賛同1000人超、パレード集会参加250人、募金80万円超 

 大軍拡反対の共同を地域で大きく広げている日野からレポートしていただきました 


「戦争はダメです!」の一点で共同

テレビや新聞が中国脅威や台湾有事をあおるなかで、「心配だから軍備強化は必要では」という世論が作られています。日野でも、毎月3回の共同街頭宣伝で「軍備強化ではなく外交を」と訴えてきましたが、「攻められたらどうするんだ」と議論になることも度々ありました。3月19日のピースパレード(高幡不動駅周辺、100人参加)では、そういう市民にも「戦争させないためにご一緒に声をあげよう」と呼びかけました。

その後、戦争はダメです!共同アクションひのを結成し、5・21ピースパレードに向けて、2万枚のチラシを作成して宣伝、市内320カ所の掲示板にポスター貼り出しも行ってきました。街頭の宣伝では、現役世代や若者がビラを受け取り、対話する姿が増えてきました。

ピースパレードに250人

 21日の「戦争はダメです!みんなのピースパレード」は、日野中央公園に250人が集いました。スタート集会では、保育士さんたちの人形劇、劇団「ひの」の皆さんによる歌と踊り、押され押し返す平和のせめぎあいを演じたパントマイム、沖縄に連帯するエイサーの舞など、文化豊かなパフォーマンスを展開。参加した都議会議員の清水とし子さん(共産党)や6人の市議会議員が紹介され、参加できなかった大河原まさこ衆議院議員(立憲民主党)、伊地智恭子多摩市議(社民党都連幹事長)も賛同の署名をしてくれたことが報告されました。

 パレードには160人が参加して、多摩平イオン方面まで2.6キロを行進し、「戦争準備の軍拡反対」「日本に戦争、呼び込むな」「平和の外交、全力尽くせ」「ミサイル買うより暮らしを守れ」とアピールしました。途中で、元気な若者6人が飛び入り参加、「若者も言いたい」とマイクを持って元気なコールを響かせました。 

賛同者連名のちらし10万作成、全戸配布

地域では、これまで大軍拡反対署名してくれた方や知り合いを訪問して、「一人一人の市民が戦争させない声をあげることが大事、あなたも賛同者に名前を連ねてほしい」と呼びかけています。対話では、「岸田政権は長距離ミサイルを配備し戦争を準備している、日野も戦争に巻き込まれる」「軍備のための財源を確保するために、医療や年金の積立金を流用することまでねらっている」という訴えが、共感をもって受けとめられています。

1000人以上の賛同者を目標に呼びかけを広げてきましたが、5月末で○○○○人に達しています。6月中旬には、パレードの写真と賛同者の名前を掲載し、「戦争の準備ではなく、いまこそ平和の準備を」と呼びかけるチラシを10万枚印刷し、全戸配布や駅頭宣伝などですべての市民に届けます。一口500円の賛同募金は○○万円を超えました。

                          (日野革新懇事務局長 磯崎四郎)

  

東京の区市町村長選の共同

東京、62区市町村首長選中39で共同候補擁立

全国に誇る市民と野党の共闘を確信に

政治革新で前進を 

写真は市民と野党共闘で勝利し、就任した岸本聡子杉並区長  

 今年の東京の統一地方選における首長選挙は、19の自治体でたたかわれ、13自治体(台東区、墨田区、江東区、大田区、世田谷区、渋谷区、豊島区、北区、足立区、東村山市、東大和市、稲城市、檜原村)で市民と野党の共同候補が擁立されました。

各地域の市民連合等が、政党とも協議しながら擁立を図り、何人かの候補者は地域の市民運動を担った人達です。1月に立憲民主党都本部と共産党都委員会の協議で、統一地方選挙で共闘して行こうとの確認がされたことも後押ししました。

当選は、世田谷区長選挙で、維新が実質擁立した29歳のキャリア官僚を自公が支援し本気で奪還を目指しましたが、保坂展人区長が4選。檜原村の産業廃棄物焼却施設反対運動から擁立された吉本こうじさんが、520年の現職村長を打ち破って当選の2人です。市民と野党の共闘への国民・都民の期待が広がれば、首長選挙でも勝利の大きなうねりに発展していくことは間違いありません。

今回の13自治体での共同を加えると、東京62区市町村の中で、2017年以降で共同候補の擁立は39自治体、約3分の2に広がっています。

東京では、市民と野党の共闘が以下のように、戦争法反対の共同をベースに、総選挙、都知事選、都議選、首長選挙と前進を続けてきました。  

立憲民主党の泉健太代表が「共産党とは共闘しない」と述べるなど、市民と野党の共闘に困難も生まれていますが、東京の実践は、この道こそが国民本位に政治を変える大道であることを事実で示しています。このことに確信を持ち、全国に影響を与える首都東京での奮闘が求められています。 

戦争法反対での思想信条を超えた東京の共同

2014年秋に総がかり行動実行委員会が結成されたことにより、「共産党をのぞく」政治体制による分断が乗り越えられ、急速に思想信条・党派を超えた共同が広がりました。

東京では、20153月段階では、思想信条を超えた共同は11地域にとどまっていました。2016年には、各地域の市民の奮闘があり、23区と三多摩26市のすべてと町村・島嶼の一部に思想信条・党派を超えた共同が広がりました。この共同の広がりが、その後の市民連合の結成や国政選挙、都知事選挙、都議選、自治体首長選挙の土台となりました。 

2017年総選挙に向けた市民連合の結成と前進

201512月結成の「市民連合」を受け、東京においても、25小選挙区中23小選挙区、自治体地域では31地域に市民連合が結成されました。

東京では、2017年総選挙では16小選挙区で立憲野党候補が一本化し、自民党は3議席減らし、立憲民主党は4議席を獲得。市民と野党の共闘が本格的に取り組まれ、当選に貢献、いくつかの選挙区で接戦まで押し上げました。東京の小選挙区で自公の候補が過半数の票を獲得したのは6選挙区だけであり、取り組みの発展があれば、東京で自公を少数に追い込むことは十分可能であることを示しました。 

2020年都知事選挙

 宇都宮けんじ候補の実質的な擁立の場となった202063日の「呼びかけ人会議」から投票日まで1ヶ月。コロナ感染のもとで、各地域で急速に都知事選をたたかう共闘体制がつくられました。東京小選挙区25区すべてに立憲民主党と共産党を中心に政党間の選対が結成され、市民の積極的参加のもとに18区に市民と野党の共闘体制がつくられました。残り7区では、多くの自治体地域で市民と野党の共闘体制がつくられました。立憲民主党、共産党、社民党、新社会党、緑の党の党首をはじめとした幹部が連日共同の街頭演説を行い、国民民主党の幹部、「社会保障を立て直す国民会議」の幹部、無所属の国会議員の参加もありました。政党が力を合わせ気持ちよい共闘を作りあげたのも特徴です。 

2021年都議選における共同

都議選は、全国的に見ても歴史上はじめて地方議会選挙における市民と野党の共闘が本格的に広がり、立憲民主党、共産党、社民党、新社会党、生活者ネット、緑の党の6党会派の共闘体制が確立、現在も継続しています。共産党が改選から1プラスしての19議席、立憲民主党は8議席から15議席、生活者ネット1議席、緑の党1議席で立憲野党がプラス9議席の計36議席、33議席の自民を上回る勢力になり臨時議会の招集権を手にしました。候補者を1本化した22選挙区中13選挙区で当選、9選挙区でトップ当選しています。

連合東京は、「共産党に与しないこと」「違反行為がある場合には推薦等の支援を取り消す」とし、立憲民主党に対して、共産党との選挙協力をやめるよう様々に干渉。それを実質的に押し返し、連合東京が組織内候補として推薦した国民民主党の4候補はすべて落選。

候補者の一本化は1人区で6選挙区、2人区で12選挙区、3人区で4選挙区の合計22選挙区に達し、1人区で022人区で273人区で23と当選を広げています。

候補者の調整・一本化のもとで、各地域で市民連合等が、市民と野党の共同候補として、推薦・支持を決め、市民が選挙における重要な役割を発揮しました。 

2021年総選挙における前進

東京では18選挙区で立憲野党が一本化し、自民党16議席、公明党1議席、立憲民主党は4議席から8議席に倍増、立憲民主党と共産党は比例を合わせて12議席から16議席に前進しました。惜敗率88%以上は、23区、10区、1区、21区の4選挙区。立憲野党が並立立候補となった選挙区では、立憲野党候補の合計票は、16区と22区で当選した自民党候補を上回り、115526票差、136800票差、214372票差に迫りました。全国で立憲野党が後退する中、東京では貴重な前進を切り開きました。 

自治体首長選挙における共同

首長選挙では、この間の各地域での思想信条・党派を超えて共同した人々・諸団体が自治体政治も変えようと力を合わせました。

市民と野党のた共同でたたかわれた首長選挙

2017 小平市(当選)、日野市、武蔵野市(当選)、東久留米市(2000票の僅差で落選)、国分寺市

2018 多摩市(当選)、町田市、中野区(当選)、杉並区、狛江市、品川区、新宿区

2019 世田谷区(当選)、大田区、板橋区、中央区、豊島区、北区、清瀬市、東大和市、立川市(257票の僅差で落選)、あきる野市(88票差で当選)、青梅市

2020 八王子市、府中市、福生市、目黒区、昭島市

2021 西東京市(1514票の僅差で落選)、小平市(当選)、日の出町(当選)、日野市(1685票の僅差で落選)、東久留米市

2022 練馬区(2147票の僅差で落選)、中野区(当選)、杉並区(187票差で当選)、新宿区。

2023 前掲。

東京では首長選挙で共同を追求するのが当たり前になってきています。当選したのは、小平市、多摩市、武蔵野市、中野区、世田谷区、あきる野市(後に不信任決議)、日の出町、杉並区、檜原村の9自治体。中野区や杉並区に象徴されるように、住民運動が活発な地域です。

自治体議会でのオール与党の状況が長らく存在してきたもとで、国政だけでなく、自治体の変革めざす共同が大きく広がったことは今後の貴重な財産をつくり出したと言えます。