2017年10月5日木曜日

東京革新懇学習交流会開催 
安倍改憲を許さない市民と野党の共闘
                上智大学教授 中野晃一 

 930日、ラパスホールで東京革新懇地域・職場・団体学習交流会が84人の参加で開催されました。民進党が希望の党に解党的に合流するという激変の中で、中野さんの講演もその点に正面から触れ、また、午後の各地域の発言は、市民連合等の共同の到達の上に、どう対応するか懸命な議論が行われていることが報告されました。激動の情勢にまさにかみ合った学習交流会となりました。

民進党が希望の党に合流、リベラル派新党が期待できない状況だ。小選挙区になり、自分の信念に基づき行動できなくなっている。無所属での立候補はかなりきつい。対立候補を当てられて丸腰になる可能性がある。無所属で勝てればいいが、比例復活のセイフティネットがない。
 私は危ない状況を感じ、民進党には準備した方がいいと言ってきた。都議選で安倍・自民党を切らせるのはいいが、次の政局の中心に、主導権握る立場に立ったのは小池都知事。野党共闘へのくさびになってくると思っていた。

 都議選では、民進党は風たよりで足腰が弱い。組織政党は共産党公明党ぐらい、自民党は後援会組織だよりだ。民進党は組織としては連合だが、同盟系であれば相当保守的立ち位置で共産党とは組まない。民進党が東京で生き残るのは大変だ。松原や長島などなんで民進党にいるんだみたいな人も居た。
 安倍打倒までは民進党もつないで野党共闘の蓄積できた。安全保障関連法、共謀罪反対の共同できた。共産党が国民連合政権構想戦略を大胆に提起したが、民進党がどれほど信頼できるかが問われた。
 民進党の中で本来保守層を含め、こちら側に寄ってきた。福山哲郎は松下政経塾で保守だが、国会前行動に足を運び苦労しながら一緒に走ってきた。民進党の代表戦では枝野で奮闘し前原に干された。解散のとき、福山氏は国会前に顔を出している。政治家として相当変わってきた。 
 小池都知事は改革保守を掲げ、新自由主義的で下劣な政策を打ち出している。小池知事は都民ファーストを掲げているが何もやっていない。小池知事は高値で売れるときに衆院選に出てくる。毎日、安倍政権、立憲野党が霞むようにメディアに露出し、衆院選に出るのか出ないのか思わせて出てくる。小池劇場をメディアが演出している。

 小選挙区は11のであり分断されてはどうしようもない。全国規模で11の二極化すればすっきりする。参議院選挙では、改憲勢力対立憲野党の構図で維新が邪魔する役割をになった。共謀罪では、安倍政権は、維新を建設的野党と褒め称え、修正協議に応じる。公明党は集団的自衛権では「限定的」ということで見た目を整え、安倍首相を穏当に見せた。なんちゃって野党が実際には政権をアシストしている。

あざとい安倍政権が5年近く続き、どうやって2極構図をつくれるか、それを参議院選挙でつくれた。東日本、長野、新潟等で立憲野党が健闘した。西日本は惨憺たる状況で維新が自民党をアシストした。小池都知事はそれを全国に展開しようとしている。自民党、希望の党とどう対決できるか。枝野氏が出て新党を立ち上げれば、ある面勝負の形になる。危機感持った人々が比例で立憲野党に投票すれば足場を残せる。

928日、市民連合は見解を出した。希望の党は安保法政肯定で共闘の対象にはならない。
希望の党に合流する民進党議員でこちら側に引っ張って一緒にたたかえる人もいる。希望の党が野党にとどまったら、こんなところに居られないともなる。リベラル新党が誕生すれば市民と立憲野党の共闘となる。

希望の党は、小池独裁以外にもたない。政権獲得まで行っても、誰が入閣するか、誰が幹事長やるかなどメチャクチャになる。小池さんのやり方を見ていて浮かんだ言葉は「適当」だ。小池さんの言っているのは全部“適当”。政権を担って持つわけがない。持つとすれば女王陛下の独裁だ。自民党との大連立もありで、北朝鮮対峙と改憲の救国大連立政権、大政翼賛体制となる。

 いろいろやられて、まだ負けないでやるという馬鹿さかげん。結局は個人の持っている勇気だ。この間のたたかいでも勇気がある人がたたかいを支え盛り上げてきた。古代ギリシャでスピリットとは酒、精気、覇気、勇気があることを言う。勇気ある人が他の人を奮い立たせる。

 この間の運動の貯金が底をついてきた。我々がもう一回気概を示すことが求められる。選挙の後、改憲発議に向かう。戦前権力を握っていた人の末裔が改憲をめざしている。安倍首相の改憲は怨念だ。負けるわけにはいかない。頑張りましょう。

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