2017年4月27日木曜日


共産党都議団幹事長

大山とも子さんにインタビュー
 

 国政にも大きな影響を与える都議会議員選挙が迫るもとで、日本共産党都議団幹事長の大山とも子さんにインタビューしました。 

威力を発揮した百条委員会で更なる真相解明を
 
国会では、大阪・豊中市の森友学園への国有地格安払い下げで安倍昭恵総理夫人の「関与」の疑いが濃厚になってきました。

 この西の闇に対して、東の闇と言われるのが、筑地市場の東京ガス豊洲工場跡地への移転問題です。豊中と豊洲、名前も似ていますね。

 この問題に切り込んだ共産党が都民とともにたたかった激動の36日間。第一定例都議会で話したいことはたくさんありますが、今日は3つに絞ってお話しします。

 その第1は、共産党が提案した百条委員会がようやく設置され動き始めたことです。石原元都知事をはじめ、都の幹部職員や、東京ガスの幹部などの証人喚問が5日間、24人に対し行われました。百条委員会でなにも明らかにならなかったなどと意図的に報道しているマスコミもありますが、とんでもありません。

 百条委員会に提出された段ボール100箱近い資料、これは黒塗り部分が一つも無い貴重なものです。この中に、公表されなかった東京ガスとの「確認書」という密約があったことが明らかになりました。この「確認書」に沿って、石原元都知事は、汚染を知りながら移転を決済し、土地を売ってもらうために東京ガスがやる汚染処理は全部でなくともよいという合意を結び、原因者負担が当然なのに、一度汚染対策をすれば、その後汚染が発見されてもその責任を免除する瑕疵担保責任の免除まで了承。この結果、860億円もかかった汚染対策費のうち東京ガスが負担したのはわずか78億円。さらに、内田茂自民党都連前会長とのかかわりも資料から明らかになるなど、闇の核心に迫っています。共産党は、建設費の高騰や欠陥土壌対策を含め、さらに解明すべき問題があり、引き続き百条委員会を継続させ、真相究明と都政で二度とこのような過ちを繰りかえさないために全力を尽くします。
 
2は筑地市場の移転中止、現在地での再整備

 豊洲新市場の地下水汚染はとても深刻です。モニタリング調査でも環境基準の100倍というベンゼンや、環境基準を上回るヒ素、シアンなどが27の再調査地点のうち25地点で検出。豊洲市場予定地の地下に大量の汚染物質が残されていることの証明です。「汚染土壌はすべて除去する」という、都の都民への約束は守られていません。

 農水省資料も4月の農水大臣の国会答弁でも、汚染を除去せずに「生鮮食料品の用地とすることは想定し得ない」としており、本来、東京ガス豊洲工場跡地への移転はあり得ないのです。

 地下水調査の深刻な結果を踏まえ、共産党は、食の安全・安心を守る点から豊洲移転をきっぱり中止し、築地市場の現在地再整備を本格的に検討するよう求めました。

 自民党は、築地市場の老朽化、交通事故の危険など言い立てましたが、原因は、石原都政以来18年間、移転を前提に建物や道路などをまともに補修・改修しなかったからです。当時の最大与党であった自民党にこそ責任があるのではないでしょうか。まさに天に唾するものです。

 自民党は、築地市場にも汚染があるなどとも主張していますが、地歴を見ると、進駐軍に接収された時代にドライクリーニング工場やガソリンスタンドがあったということですが、当時のドライクリーニングの溶剤は現在のような有害化学物質は使われておらず、ガソリンは微量のベンゼンを含むものですが、豊洲新市場のように何十年間も地中に垂れ流された大量のタールに含まれていたベンゼンと違い、揮発しやすいので土壌中の残留は少ないというのが専門家の意見です。つまり、築地市場に汚染があったとしても、質的にも量的にも比較にならないほど少ないのです。

 都の市場プロジェクトチームによれば、技術進歩により、築地市場を営業しながらの改修は支障がないし、工事費用も豊洲新市場の約6000億円に対し、500億から800億円ですむ、年間維持管理費用も、豊洲が76億円に対し築地は15億円という試算が示されています。自民党の激しい築地バッシングに対して、築地の女将さんたちが「明確な営業妨害」と立ち上がりました。豊洲移転中止の署名を水産仲卸業者の7割から集め、記者会見で思いを語りました。築地市場再整備こそ、最も現実的な方向ではないでしょうか。

 小池知事は、いったん立ち止まったものの、今後の方向は示していません。

都議会はどうでしょうか。自民党は、ひたすら豊洲移転を迫っています。公明党も「豊洲移転に向け着実かつ確実な前進に取りかかるべきだ」と移転推進。東京改革議員団(民進党)は、「急いで豊洲市場を開場すべきというのは不誠実の極みだ」と述べるにとどまり判断を示していません。豊洲か築地か、今度の都議選の大争点です。自民・公明対共産党の対決構図も一層鮮明になってきました。都議選で豊洲新市場移転中止、築地で再整備の審判を下しましょう。

都の一般会計予算に賛成

 第3は、共産党が39年ぶりに小池知事の一般会計予算に賛成したことです。共産党も与党になったのかというマスコミもありましたが、そうではありません。

 共産党は、予算そのものの評価、小池知事のわが党の質問に対する答弁など、様々な角度から慎重に判断しました。

 今回の予算には、保育園待機児解消目標の大幅引き上げや保育士給与の引き上げのための補助、760万円以下世帯の私立高校生の授業料無償化、350万以下世帯の都立高校生への給付型奨学金の創設など、都民要求に応える施策が一定程度盛り込まれました。

 特に保育園の待機児解消では、共産党都議団の取り組みが反映しています。共産党都議団は、保育園の数を増やすと同時に、保育の質も充実させるために、一貫して認可保育園の増設を求めてきました。17議席になって初の条例提案は認可保育園をつくる時の土地代助成です。前期の4年間で増設した認可保育園は約24千人分でしたが、今期の4年間では約53千人分増やすことができました。認可保育園増設に大きく方向転換することができました。

都有地活用を進めるために、実際に活用可能な都有地をここにもあるのではないかと具体的に示し、本会議や予算特別委員会などで迫りました。都は土地活用チームを設置し、賃貸料も平米単価34万円までは今まで通り半額ですが、それを超えると、9割引きにすることになりました。保育士が働き続けられるよう、賃金引き上げのための人件費補助も今年度はさらに増額することができました。

まさに、都民の皆さんと一緒に切り開いてきた、53千人分の増設と言えます。 

道路への巨額投資は変わらず

投資的経費は13年ぶりに減額されたとはいえ、外郭環状道路や住民の強い反対のある特定整備路線などに巨額の予算がつけられ、石原都政以降続けられてきた幹線道路整備を重視する予算配分は変わっていません。

 同時に、幹線道路計画を見直すべきだという予算特別委員会でのわが党の質問に小池知事は、「事業の必要性や経費の内容を厳しく検証し、見直すべきは見直しを行う」と答えました。高齢者福祉の充実を求める質問に対しては、「低所得で暮らす方がいることは十分認識しており、そうした高齢者の方々にとって東京を安心して暮らせる街にしていきたい」と答えるなど、いくつかの積極的な答弁がありました。 

小池都政に是々非々の立場で

 切実な都民要求から見ればまだ部分的ではありますが、予算も知事答弁も石原都政以降の都政の流れから見れば一定の変化があることを評価し、賛成しました。

 共産党は、知事が提案するものには何でも賛成という政党とは違います。臨海部開発に莫大な投資をおこなう臨海地域開発事業会計や、八ッ場ダム建設のための水道会計、都政住宅の新規建設ゼロの都営住宅会計など11議案に反対。さらに、住民が反対している大型道路建設予算などを削減し、特別養護老人ホームの増設、介護職員の賃金引き上げなど高齢者福祉の充実、保育園のさらなる増設、35人学級の推進、若者応援・正規雇用の促進、中小企業対策の拡充などの予算組み替え提案も行いました。

 これからも、良いものには賛成、悪いものにはきっぱり反対。対案を示して是々非々の立場を貫いて都民のためにがんばります。 

歴史的な都議選で都政と国政の転換を

 都議会議員選挙は、知事選挙とは違います。「どういう都議会をつくるのか」が問われます。都民の願いを都政に届けているか、都の施策にチェック機能を果たしているのか。大型開発優先の都政を切り替えて「住民福祉の増進」という地方自治体の本来の精神を取り戻す都議会をつくることが出来るかどうかです。

 小池知事は、都政の闇をつくり出してきた公明党との選挙協力を決めました。これで都民のための都政改革が出来るでしょうか。これまで豊洲移転を推進し福祉切り捨てをすすめてきた政党・議員では本当の都民ファースト、都民第一の都市を実現することは出来ません。

また、今度の都議選は、国政や全国にも大きな影響を与えます。安倍政権と対峙する立憲野党、とくにその推進力である共産党が伸びることが、市民と野党の共闘を一段と強化し、総選挙における立憲野党躍進の道を開くことになる、歴史的な選挙でもあります。

都議選の政党対決の構図は、「自民・公明対日本共産党」です。力をたずさえて、都政と国政の転換をめざしていきましょう。

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