2021年4月26日月曜日

 都議選迫る、今後の日本の未来も決める

「コロナ」対策徹底で安全安心の東京か、大企業と開発優先の継続か

                       東京自治問題研究所 石橋 映二


1.都議選結果の影響は大きく、全国的に広がる

2021年都議選は625日告示・74日投票です。

自治体議会選挙は、その結果が住民の多様な意見や要求の反映であり、その後の議会での議案審議での論点を明確にすることから、「住民の代表」といわれる由縁です。それには、議員構成の男女比の不均衡是正も重要課題です。

また、都議選結果は、都議会運営のみならず、その後の国政に大きな変化をもたらします。

さらに、今回の自公連携復活、立憲民主党と共産党の野党間候補者調整への都民の選択は、将来の行方も決めることとなります。

そのためには、都知事の「専決処分」の権限濫用を許さないという関係構築は、今般の「コロナ」禍対策の補正予算や条例新設・改正などの経過から、議会権能に係わる重要事項として改めて問われるべきです。

同時に今期議会で、各派協議を重ねられ、子どもの権利及び都の責務の明確化、実効性の担保の視点からの提起を幅広く取り入れた「条例」成立に寄与できたことも重要なことでした。

 

2.大規模開発・デジタル都庁構想まい進に歯止めを

1)「コロナ」対策の抜本的強化で、安全・安心を守る福祉重視の東京に転換を

昨春からの「新型コロナ」パンデミック(感染爆発)は、2ヵ月余の「緊急事態宣言」解除後も感染拡大が続き、2回目の「宣言」が出されました。さらに、その「宣言」解除直後に、「変異株」による4波が深刻化、「まん延防止等緊急措置」が発せられ、極めて深刻な事態を招いています。

「新型コロナ」禍は、まさに経済のグローバル化と国民のいのち・暮らしを軽視した新自由主義政策推進による社会の脆弱さを明らかにしました。いま、まず必要なのは、感染症対策の抜本的強化です。

小池都政の「未来の東京・3か年のアクションプラン」の『戦略0(ゼロ)』(別掲)では、「新型コロナ感染症に打ち克つ戦略」を掲げ、「『見えざる敵』である感染症に打ち克つ」とし、「東京ίCDC疾病予防センター)」を核とした3つの対策を掲げますが、極めて限定的で、大規模PCR検査を実施し、無症状感染者を把握したうえで、対策を打たないことには、とても「打ち克つ」とはいえません。

2021年度都予算では「直近の感染状況に応じて補正等の対策を迅速に講じる」とし、国交付金頼みの補正予算対応に委ねて、知事が都民に自粛を呼びかけるのみで、保健所機能の抜本的強化対策予算も、コロナ感染者を大量受け入れて、医師・看護師をはじめ関係者の疲弊が極まっている都立病院も僅かに医師1名、看護師8名増員です。

その一方、都立病院・公社病院の地方独立行政法人移行準備予算を合計39億円計上しています。

ところが、知事与党の「都民ファースト」や自民・公明等の各派は、都民からの「独法化中止」請願に対して、事もあろうに不採択としました。

また、国保、後期高齢者医療、介護保険の交付金や補助金増には冷たい政治が続きます。

さすがに、「コロナ」禍で困難に直面している方々に、緊急雇用対策「東京版ニューデール~TVA作戦」で、2万人を超える雇用創出など、生活弱者・雇用対策、「コロナ」禍の生活や暮らしへの対応、中小企業支援等が各局予算には組まれています。問題は、増え続ける対象者にどこまできめ細かな対応ができるかです。

 

2)「2020東京オリ・パラ大会」強行と「稼ぐ東京」・国家戦略特区に厳しい審判を

➀「コロナ」禍での2020東京オリ・パラ大会強行

2020東京オリンピック・パラリンピック関連予算は、大会経費、大会関係費、大会コロナ感染症対策、緊急対応費など合計2953億円を計上、更に大会関連経費、レガシー創出経費など総額は4028億円です。

累計の都負担は1兆4500億円で、このまま大会を強行すれば、これに留まる保証はありません。

オリンピック立候補ファイルの大会経費は、総額が8000億円(東京都・国などで4500億円、組織委員会が3500億円)ですが、既に総経費は3兆円以上に膨れ上がり、東京都の負担額は当初想定した約5倍です。

 「2020東京オリ・パラ大会」強行で感染拡大か、それとも、直ちに中止して、コロナ禍対策に集中化して感染を抑えるのかが問われています。

 

②政府・財界方針推進の都庁のDX・デジタル化

また、小池都政が212日に発表した「『未来の東京』戦略(案)」、「『未来の東京』戦略(案)~3か年のアクションプラン」、「シン・トセイー都政の構造改革QOSアップグレード戦略()」の3つの戦略を貫くのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進です。東京版Society5.0「スマート東京」に加え、「社会と都庁」の2つの構造改革を進めています。

また、「都政の構造改革」の7つのコア・プロジェクト①未来型オフィス実現②5つのレス徹底推進③ワンストップ・オンライン手続④オープンデータ徹底活用⑤スタートアップ・シビックテックとの協働推進⑥内部管理事務抜本見直し⑦組織・人材マネジメント変革は、美辞麗句で飾られていますが、その実態は「デジタル庁」・「デジタルサービス局」に象徴されるDX・デジタル化推進です。

特に、「オープンデータ徹底活用」は、個人情報保護の立場からの厳しい検証が求められます。

本格的に始動した「スマート東京」関連予算は、全局的に網羅され、電子都庁基盤の運用管理109億円をはじめ、学校関係だけで240億円余、さらに行政のデジタル化、起業・創業促進等々1兆円近くの巨額な都財政が注ぎ込まれています。

 

③「稼ぐ東京」、カジノ誘致を促進する国家戦略特区

DXは、ベイエリア(湾岸地域)や都心部などの国際金融都市づくり・都市再開発や子育て・教育・就労対策・高齢者・障がい者など都民生活に直接関連する全ての分野の施策に組み入れられています。

石原、猪瀬、舛添歴代知事と自公両党が進めた大規模開発・国際金融都市などの国家戦略特区路線を、「2020東京大会」を口実に、「稼ぐ東京」を旗じるしに一層推進する小池都政の計画となっています。特に、東京を上海、シンガポールを凌ぐ「アジア1位の国際金融センター」づくりの拠点化も謳われています。

「ベイエリアから世界最先端を取り戻す」として、規制緩和で、「世界の人を魅了する遊び場」として、統合型リゾート施設IR(カジノ)誘致が可能な計画となっており、特に、破綻必至なカジノ調査予算を8年連続で計上したことは大きな問題です。 

別掲 

   「未来の東京」戦略() 事業費一覧

(東京都庁ホームページより)  単位:億円

 

 

戦略名

2021年度

事業費

3ヵ年事業費

戦略0

感染症に打ち克つ戦略

283

戦略1

子供の笑顔のための戦略

1,437

4,315

戦略2

子供の「伸びる・育つ」応援戦略

929

2,811

戦略3

女性の活躍推進戦略

1,222

3,824

戦略4

長寿(Chōju)社会実現戦略

367

1,274

戦略5

誰もが輝く働き方実現戦略

227

550

戦略6

ダイバーシティ・共生社会戦略

358

1,076

戦略7

「住まい」と「地域」を大切にする戦略

999

3,151

戦略8

安全・安心なまちづくり戦略

5,477

16,888

戦略9

都市の機能をさらに高める戦略

4,322

15,162

戦略10

スマート東京・TOKYO Data Highway戦略

224

884

戦略11

スタートアップ都市・東京戦略

226

358

戦略12

稼ぐ東京・イノベーション戦略

684

1,759

戦略13

水と緑溢れる東京戦略

3,446

10,846

戦略14

ゼロエミッション東京戦略

1,589

4,645

戦略15

文化・エンターメント都市戦略

86

271

戦略16

スポーツフィールド東京戦略

177

472

戦略17

多摩・島しょ振興戦略

3,477

11,278

 

総計

13,888

43,372

④安全無視の外環道工事、街こわしの特定整備路線、空の安全など

昨秋に起きた外環道地下工事による調布市の陥没事故に住民は大きな不安を訴えています。また、住民追い出しと街こわしの品川や板橋などの特定整備路線も引き続く方向になっています。

また、インバウンドと国際金融都市・外国人活用の狙いで、都心を低空縦断する羽田新ルートの機能強化調査予算も含まれます。

また、都心上空の米軍ヘリ飛行、横田基地で危険なオスプレイの夜間飛行訓練の集中を指摘し、特殊作戦部隊拠点化の実態について知事の認識を質しましたが、正面からの答弁はありませんでした。米軍ヘリの都心超低空飛行は、ドイツやイタリア、イギリスでは国内法が適用される一方で、日本では、米軍がわが物顔で飛行しています。日米地位協定は改定が必要ですが、現行でも国内法を遵守する義務を負っており、住民の命と安全を脅かす飛行の中止と、基地の撤去を求めるべきです。

 

3)個人の尊厳と多様性を尊重する都議会と都政に

20146月都議会で、女性の妊娠・出産をめぐる都の支援体制を質問中の女性都議に、自民党都議が差別発言をしたことは、当時の海外メディアからも厳しい目が注がれました。

そんな事象があったにもかかわらず、いかなる差別の排除を謳っている「オリンピック憲章」のもとで成り立っている東京オリンピックの大会組織委員会の前会長が、「女性がいると話が長くなる」といった主旨の発言をし、女性蔑視だと批判を浴びました。当然、厳しい批判は世界各国からも集まりましたが、会長交代・女性会長就任などの当面の対処で収まるものではありません。抜本的な改善を求めねばなりません。

また、都立高校の「地毛証明書」などの厳格校則─その後、頭髪指導は改善を求める「通知」が出されましたが、「子どもは、あらゆる場面で権利の主体として尊重され…意見を尊重するとともに、子どもの最善の利益を実現することは、学校教育においても同様に重要」と教育長が答弁したことは画期的です。

国の小学校での35人学級の実現を5年かけての推進という変化を受けて、都の少人数学級実現への改善に向けては、これまでの立場を抜本的に改めて進めるべきです。

そのほか、性的マイノリティなど様々な課題での個人の尊厳と多様性を尊重するという民主社会のルールが当然のこととして普遍化している都議会と都政への転換が急務です。

2021年3月31日水曜日

首都圏反原発連合3月27日

 活動休止にあたり、革新懇の皆さまへ 

 首都圏反原発連合 ミサオ・レッドウルフ

 首都圏反原発連合(反原連)は、20213月末をもって、20123月から毎週実施してきた『再稼働反対!首相官邸前抗議』(金曜官邸前抗議)をはじめとし、年に数回開催してきた週末の国会前集会、会報『NO NUKES PRESS』やリーフレットの発行など、継続し取り組んできた活動に幕を下ろしました。原発事故から10年経った今も76%もの人々が原発ゼロを希求しており、あとは政治が原発ゼロを決定するだけという状況が安倍政権によって長引いたことで、未だにエネルギー政策の転換ができていない状況に鑑み、解散はせず、運営用のグループウェアの継続、SNSなどネットでの発信などは引き続きいたします。また、何か大きな問題が起これば呼びかけをする可能性を念頭に、マンパワーの温存を心がけます。

 

 反原連の活動の主軸となった金曜官邸前抗議ですが、20126月に当時の野田首相が大飯原発の再稼働を閣議決定したことがトリガーとなり、20万人もの人々が官邸前に集まりました。時間の経過とともに参加者は減少していきましたが、社会活動において一定の役割を果たしたものと考えています。その中で、官邸前や国会周辺での市民の抗議活動が当たり前にできるようになったことは、多くの識者のみなさまがご指摘される通りであると思います。「自発的に人々が集まった」と言われることもありますが、実際には主催として様々な工夫をし「安心して参加できる抗議の場」という器作りに徹底してまいりました。また、脱原発の志を持っていれば、イデオロギーや所属に関わらず誰でも参加できる「シングルイシュー」を貫き、いまでは当たり前になった「超党派」「野党共闘」の小さな源流を作り上げたということもあると思います。

 そもそも、3.11福島第一原発事故を契機に、それまで社会活動やデモに参加したことのなかった人々が、いろいろな場所でデモや集会を主催し、また、参加するようになりました。実際、金曜官邸前抗議にもそういった人々が溢れかえっていました。そのことを踏まえ、運動に慣れていない人々が継続的に参加できるよう、のぼり旗やプラカードや配布物についてなど、様々な独自ルールをもうけました。そのことで、既存の活動家からの批判や誹謗中傷もありましたが、より敷居が低く生活の一部として参加できるような、しかも安心安全な抗議の場を作るために妥協はしませんでした。結果的には既存の運動からは異端とされるようなやりかたが、奏を効したのではないかと考えています。

 

 先にあげた「野党共闘」の源流についてですが、『原発をなくす全国連絡会』と『さようなら原発1000万人アクション』の両者に呼びかけ、三者共催で『NO NUKES DAY』という統一行動を何度も開催しました。組合運動などで相入れなかったふたつの大組織が横並びで主催参画するのは難しいことでしたが、原発をなくすという強い思いひとつで実現しました。この脱原発での共闘が、のちの『戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会』設立の力になったと関係者からうかがったことがあります。『市民連合』についても言えますが、超党派での闘いは、小さくとも脱原発運動が源流であったといえるのではないでしょうか。また、私たち反原連は超党派で共闘する必要性の示唆はしましたが、作り上げたのは全国の皆さまの思いと行動であると思います。

 

 反原連の今後については先にも書きました通り、解散はぜずにチームワークを温存します。ただ、私自身、正直なところ、立ち上げの呼びかけからはじまり反原連の活動に多くの神経と体力を使い費やしてきたことで、かなり疲労が溜まってしまったこともあり、今しばらくは休養しながら、次のことを考えていくつもりです。また、反原連としては、9年半に及ぶ活動や運営についての記録集の編纂を開始する予定です。表立って見えている抗議の現場だけではなく、運営に関しても、既存の市民グループとは異なる工夫や努力をしてきたことはあまり知られていませんので、今後新しく社会活動に参入する人たちに参考にしていただければという思いもあります。この記録集はまだ出版の予定などはありませんが、なんらかのかたちで発表しますので、その時には是非ご覧になっていただければ幸いです。

 

 金曜官邸前抗議が始まった早い時期に、革新懇の取材を受けたことをはじめとし、ほぼ毎年、全国や地域の革新懇の集会にお招きいただいておりました。いままた、こうして、活動休止にあたり、寄稿させていただいていることに感謝を申し上げます。金曜官邸前抗議はいったん幕を下ろしますが、私たち反原連メンバーの原発ゼロへの思いは変わりません。それぞれの生活環境の中で、できうることをやっていく所存です。これからも、全国の皆さまと思いをひとつにし、原発ゼロを政治決断させるために、尽くしてまいりたいと思います。また、市民社会と政治の橋渡しを意識し活動してきた私たちを理解し応援くださったことに、重ねて御礼を申し上げたいと思います。今後とも、ご教示を賜れますよう、宜しくお願いいたします。

2021年3月9日火曜日

2月27日 東京革新懇事務局(室)長会

 東京革新懇が事務局(室)長会 2月27日

五十嵐仁代表世話人(法大名誉教授)が開会挨拶

今井文夫東京革新懇事務局長が提起



2021年3月2日火曜日

菱山南帆子さん講演 東京革新懇総会

 政権交代の絶好のチャンス、若者へのバトンタッチ

 許すな!憲法改悪市民連絡会事務局次長 菱山南帆子 

130日に開催された東京革新懇第29回総会での菱山南帆子さんの記念講演の要旨をご紹介します。 

一国のリーダーが悪いかいいかで、こんなにも命が助かったり、助からなかったりするのかを、感じたことはなかったです。総選挙は、市民と野党の力で政権交代する絶好のチャンス。さらに、政権維持のために、私たち市民の力が重要で、どうしたらいいのかということと、私なりの若者像があり、これからの時代を生きていく若者に、どうバトンタッチしていくか、一緒に考えていきたいと思います。 

科学的知見に背を向けた感染対策

コロナの中の緊急事態宣言下で、今日の総会を開くことは、私は素晴らしいと思いますし、工夫しながらやらなければなりません。向こうが民主主義破壊を自粛しないわけですから、私たちも声をあげることを自粛できません。いまの感染状況は、科学的知見に基づいた意見や警告を無視し続けた結果です。爆発的感染を引き起こした張本人である菅さんが、罰則を考えるなんてどうかしているとしか思えない。GOTOキャンペーンをやらなかったら、どんなに助かった命があったかしれない。

菅さんの話しは全く心に響かない。ニュージーランドの若い女性の首相は、毎日国民に向けて会見しています。その言葉が国民全体に届いて、無理なく押さえられています。 

菅首相は、自分の言葉で話すどころか、公助を受けている状態。おまけにASEANをアルゼンチンなど言い間違いのオンパレード。利権で動いていて、私たちの未来、生きられたかもしれない人たちの命を左右する権力を握っていると思うと、本当に変えなければと思います。

122日に、核兵器禁止条約が発効して嬉しく思っています。あきらめずに声を上げ続けたから発効までにこぎつけました。私たちもあきらめずに声を上げ続けることが、大事です。アメリカのバイデンさんが大統領になり、大きく転換した。世の中が変わるときは、がらっと変わる。私たちは遠慮せずにしっかりと思い描いた未来を提示することが社会を変えることにつながると思いました。

 憲法をめぐる攻防

 憲法についてですが、安倍さんの突然の辞任によって安倍政権下での改憲は完全に消えました。8年間も共闘の力でたたかってきたたまものです。

今国会の憲法審査会で改憲手続法を変えてくるかもしれない。国民民主党は、賛成に回ると言っています。立憲民主党も、議論には応じるということを言っています。

この法律の欠陥は、CMがやりたい放題。CMはどれだけ高いかということですが、電通の1年間の売り上げが51000億円。博報堂12000億円、フジテレビ6400億円、朝日新聞4700億円。電通はものすごいお金、力を持っているので、私たちが幾らお金を払ったって、いいところにCMなんか入れてくれない。こんな法律だということを訴えていかなければなりません。

憲法を変えることに、あらゆるチャンスをうかがってやってきます。コロナになって、緊急事態だから憲法を変えないとコロナ対策はできないと言った。稲田朋美さんは、憲法第24条に男女平等が入っていないから改憲すると言っています。コロナで、自衛隊が医療現場へ入って、ありがとう自衛隊の大キャンペーンになっています。 

陰湿な菅首相

菅さんは、陰湿でとんでもない政権と言われています。彼は野党時代に民主党に対して「記録を残すのは政治家として当然だ」と著書に書いた。自分が首相になったらここを消して改訂版を出した。

これも陰湿なエピソードですが、菅さんが横浜市議時代に、役所の人事案を入手し、一人の職員に電話をして「決まったら頑張れよ」と嘘ついた。自分が言ったからあなたは昇格したんですよと。

こうやって彼は上に昇っていった。小手先の処世術と、自分がないからしゃべれない。上に昇ることしか考えていない人間だと思います。

菅首相の横にいるのが杉田副官房長官。彼は内閣調査室のトップです。恐ろしいことです。菅さんになってから、街頭宣伝だとかいろんなところへ私服の警察が堂々と来るようになった。私の地元の八王子でも、公安に送っていると公言して、望遠レンズで撮っている。脅しに屈しない横の連帯と、安心して活動に参加できるような雰囲気を作っていかなければなりません。

 私たちが歴史をつくってきた

私たちがどれだけ頑張ってきたか振り返ります。2013年「秘密保護法」、201471日に集団的自衛権の閣議決定。市民は年に1回の憲法集会で「共産、社民、市民」の形でやっていましたが、連合左派とは一緒にできていなかった。この閣議決定が行われるとき、官邸前に、全教と日教組、自治労連と自治労の旗が並んだ。 

これがきっかけとなり、2014年末に総がかり行動実行委員会が結成されました。 

2015年、憲法集会が初めての共同行動となりました。長妻さんが来られて、志位さんが手を差し伸べたら、長妻さんは手を握ろうとしなかった。

戦争法のとき、共同のたたかいで毎日国会前へ行こうということで、国会前で野党が顔を合わせるわけです。市民が野党をつないだ形になって野党共闘、野党頑張れとの声が上がるようになった。830日、12万人が国会前に集まったとき、初めて全員が手をつないでワァっとやった。野党共闘ができて6年、歴史を作ってきたとつくづく思います。

その年に市民連合が結成。2016年初めての野党統一の参議院選があり、2017年に衆院選。小池希望の党が出てきて、築き上げてきたのにもう終わりかとなったのですが、私たちは共闘の原則を踏み外さないで頑張ろうとやったところに、立憲民主党ができた。

2019年参院選で、改憲に必要な3分の2の議席を割りこませ、安倍政権下の改憲は絶望的になりました。2000万署名、3000万署名、いろんな運動をやった。本当に大変な思いをしながらたたかってきた。 

コロナ禍で増す女性の負荷

緊急事態宣言が出て、私たちの生活というのは一変。政府のコロナの対応のせいで女性の自死が増えていると思っています。新しい生活様式という言葉が出ました。私は大政翼賛会を思い出しました。大政翼賛会の中にも、家庭生活新体制という言葉が出てきます。女は少ないお米で腹いっぱいになるようなご飯を作れ。女性が生活を変えることによって政治参加せよと。

今はまさに、女性が生活をコロナ仕様に変えなきゃならない。すごく負担になっていると思います。女性は社会のサポート的な存在でパートで働いている。雇用が不安定になって社会から追い出されてしまう。だから家の中に閉じこもってしまう。普段家にいない夫が帰り、それだけでもストレスがたまり、逃げ場がなくなってきている。女性の性差別とかに取り組んでこなかった政府に原因があると思います。男女平等は自民党では絶対に出来ない。私たちがやらなくてはいけない。

年末年始、新宿のコロナ相談村に行きました。女性が本当に多く、びっくりしました。女性が、何軒も何軒も相談村を訪れて、家族の分の食料を集めている。八王子に住む女性が、一番安い京王線で新宿まで行って助けを求めに来た。私につながって、弁護士、市議など5人体制で生活保護申請に行きましたが、根掘り葉掘り聞くのです。かかった時間およそ3時間。これが現状です。

台東区での生活保護申請では、悪名高き職員が、最後に「これやっときゃいいんだろう」と言って、お金が入った封筒を投げつけたとか、ひどいことをやっています。弱者に厳しい日本の社会を変えていかなければなりません。 

自己責任時代に生まれた若者

私は自己責任時代に生まれた若者です。1989年に労働組合が分かれて、人々の横のつながりが分断され、一人の粒になっていく。オタク文化といわれ、自分たちさえ良ければいい。いわゆる自己中心主義に変わっていく。昔は共産主義か、資本主義か、理念形成が若者にありましたが、1991年にソ連が崩壊し、いろんな部分が変わっていった。資本主義にいろいろ限界がきて、自己責任が出てくる。未来をどう形成するかというのが枯渇して、今の自分達さえよければいいとなってきた。ものを買う消費行動を通して自分を満足させる。そういうことで怒りというものはかすめ取られていくわけです。

さらに、2000年代はデジタル化時代が進んで、携帯電話にスマホ、これで個別の分断が進みます。携帯がなかったら生きていけないわけです。以前公衆電話しかなくてどうやって待ち合わせしたのか不思議と思いますけど、そういう時代から、もう当たり前に何時何分の電車に乗る、明日何時までに行く、全部あるわけですね。いろんな意見も全部スマホを見る。だから、新聞なんか見ないわけです。

ネットのニュースには、新聞みたいに、今これが重要との見出しがありません。彼らにとって命みたいな携帯には芸能人のゴシップ、これが今一番大変なことなんだという、バラバラになっていく。彼らの命みたいな携帯、本当にこれ命の携帯なんですね。9人殺害のあの事件、顔の見えない相手に心を打ち明けられるのに、隣の人に打ち明けられない。人間同士のつながりが分断された結果です。

私たちが受皿にならなければいけない。「あなたはひとりじゃない、あなたのせいじゃない、一緒に生きよう、命と暮らしを守る政治に変えよう」。心に響く言葉を伝えていかなければと思います。

一つの成功例はフラワーデモです。「私こんな苦しい思いしたの。分かるよ。私あなたの言葉を信じる、私もだよ」。やさしい連帯を学んで寄り添う。それぞれが実践していかなければと思います。

 私たちが楽しい生き方を

私は、めちゃくちゃ忙しい生活を送っていました。コロナになって時間ができ、「たくさん本が読めるんだ。こんなに空を見て歩けるんだ」と思ったとき、だれも真似できないような運動をやってはいけないなと思いました。

楽しく、明るくイメージでき、参加したいと思える運動をしていく必要があると思います。例えば、沖縄の玉城デニーさん、若い子たちは、デニーさんに未来を見て投票したんですね。私たちも、具体的な未来像を提示することはとても大事です。若い子がいないとみなさん嘆かれますが、私たちが楽しい生き方をしていれば絶対ついてきます。一人一人が生かされる世の中をつくるということが分かるようにしていかなきゃいけない。

ぜひSNS

SMSをやってない方は、ぜひやってみてください。韓国のロウソク革命が起こった時、若い人たちはスマホを片手に歩きながら親指でやっている。少し高齢の人たちは両手で人差し指でやっている。親指対人差し指のどちらの発信が多かったか調べたら、人差し指が勝ったんですね。高齢の方が引っぱって、それに若者がついて行った。

 今年1年が勝負

菅さんの支持率が続落しています。でも、野党の支持率も減っています。ある意味チャンスです。自民党の岩盤なんて無いにひとしいということが分かりました。私たちはこれをどう取り込むが重要です。今回も小池さんは何をするか分からない。どんなことがあっても、野党共闘はわれわれにとっては原則なんだということで頑張っていきたい。自民党の補完勢力に屈しない。政権の自民党内たらい回しを繰り返えさせない。必ず野党と市民の共闘で政権交代したいと思っています。

最後に、翁長さんは、政治に必要なのは、情熱、信念、行動だと言っています。情熱をかける、それによってどんどんどんどん膨れあがっていく。だけど、マイナスの信念だったら、見てください希望の党、間違った信念だったからなくなりました。私たちが前進できているのは、プラスの信念だということです。私たちの信念は絶対にぶれることなく、情熱を、行動にかけるということで。皆さん今年1年が勝負です。コロナに負けることなく生き延びて、政権交代をこの目でしっかりと見届けて、持続可能ないい社会にしていきたいと思います。みなさん頑張りましょう。