2021年7月27日火曜日

 都議選 力を発揮した市民と野党の共闘

 都議選では、自治体議員選挙で歴史的にはじめて市民と野党の共闘でたたかわれました。2つの選挙区、小金井選挙区と日野選挙区を紹介します。 

小金井 1人区で勝利

 漢人明子候補は、早くから立候補を準備し、緑の党東京の共同代表として都知事選で宇都宮候補を共産党、立民党、社民党などと推し、共同への信頼関係に努力。今回は共産(政策協定締結し全都唯一の共産党推薦候補)、立民、社民、新社会、緑、ネットの共同候補になりました。

枝野立民代表、福島社民党首、吉良共産議員、宇都宮弁護士、宮子あずささん、松下武蔵野市長、保坂世田谷区長などが応援、更に市議の過半数が支持し、市民選対中心に幅広い共同が広がりました。

自民党の広瀬真木候補は、早くから長島昭久18区候補とタッグを組み運動。自民は1人区の武蔵野、小金井を重点区に指定、河野、丸川、西村各大臣、幹部クラスを続々投入しました。

最終日は対照的な取り組みに。漢人候補には立憲民主党菅議員(18区選出統一候補)、社民党福島党首、看護師宮子あずささんが応援に入り、応援市議の訴えもありました。

特徴的な取り組みは最後の武蔵小金井駅で行われた市民選対の20名市民リレートーク。涙あり、笑いあり、市民、立憲野党の共同の取り組み、漢人候補へのそれぞれの思いが語られ、大変盛り上がりました。

広瀬候補には、加藤官房長官、長島昭久氏が応援。

結果は、漢人候補が、自公広瀬候補、現職都民ファ候補に大差つけ勝利。1人区での勝利は、総選挙に大きな力を与える結果になりました。

日野 市民応援団が活躍

日野(2人区)では、市民と野党の共同候補、共産党の清水とし子さんが自民現職を抑え当選。市民・野党の共闘の要の役割を果たしたのが、「市民応援団」でした。独自の事務所を構え、4月の市長選で大健闘した有賀精一さんや弁護士、市民が参加しました。 

連日とりくんだイオンモール前の宣伝では、「日野市の不正に都議会からメスを」「オリンピックは中止しコロナ対策に全力」などと生声で呼びかけ、対話を広げてきました。有賀さんが立ったところでは、「市長選惜しかったね」と声がかかり、市民が足を止めて対話が続きました。街頭宣伝で支持拡大が広がるのが市長選以来の定番となりました。

共産党の政党カーは、日野では市民応援団が運行しました。共産党の旗は掲げずに市民応援団の横断幕を貼って宣伝。弁士も、有賀さんや無党派の市民がマイクを持って訴えました。中には、「私は共産党でもないし、特に支持しているわけでもない」と断りつつ、清水さんを市民と野党の共同候補として応援する方も。共同の広がりを市民に示す宣伝となりました。

 市民応援団が野党各党に呼びかけた「市民・野党の共同街頭演説」は、告示前から投票前日までに6回取りくまれ、告示日第一声も共産党ではなく市民応援団が主催しました。立憲民主党と共産党との共闘に横やりが入るなか、市民応援団の要請で立憲の国会議員が何度も応援に入りました。街頭での共同宣伝に野党4党の旗が並んで立ち、市民の注目を集めました。


2021年6月1日火曜日

 横田基地 危険な超低空飛行訓練の常態化


横田基地の撤去を求める西多摩の会
 寉田一忠

 治外法権的に日本に持ち込まれたオスプレイ

2012年の夏、初年度分のオスプレイ12機を普天間基地に配備するため、船に積まれたMV22オスプレイが太平洋上を航行し、岩国基地に運び込まれようとしていた時期、「危険な欠陥機を持ち、込み沖縄の空を飛び回わらせることなど許せない」という声が沖縄県内で急速に広がりました。その年の5月に防衛省から配られた米軍発行の「環境レビュー」の中で、オスプレイの飛行訓練コースに指定された全国の該当する県の知事や自治体からも、反対や疑問の声が上がっていました。

このときある知事の発言に注目が集まりました。「オスプレイが人口密集地で治外法権的な運用が可能であることを、地域住民や行政を預かる者が『ハイわかりました』と言うはずがない」 「米軍が何でも持ち込めるというのは、どう見ても信じがたい。日米安保条約・日米同盟以前の話だ」。

これは、翌13年12月末に、安倍官邸に呼ばれた後、辺野古新基地建設工事容認に転じ、「これで良い正月が迎えられる」などと言って、沖縄県民を裏切り怒りをかった、仲井真沖縄県知事の発言です。この時期の仲井真知事の沖縄県知事らしいまともな発言を支えていたのは、当時10万人規模の県民大会を準備し、「オール沖縄」へ動き出していた、沖縄県民の圧倒的なCV22オスプレイ配備反対の世論であったことは明らかです。

こうした力に押され、一定の飛行制限を話し合う場として「日米地位協定」に基づく「日米合同委員会」が開かれ、「住宅地、特に学校や病院・公共施設などの上空は飛行しない。」「可能な限り海上を飛行する」などが申し合わされました。

しかし、狭い日本に持ち込まれたら住宅地を避けて飛行することなど不可能であることは、岩国基地で行われた試験飛行であっけなく明らかになりました。

米軍には元々地位協定で日本の航空法が適用されませんから、取り決めなど無視して飛行することが常態化しているのです。

米国本土では米軍の飛行訓練は、住宅地上空などでは当然ながらなされていませんし、オートローテーション機能がない欠陥機オスプレイは、航空法で飛行が禁止されています。自国でできないことを、なんでも言いなりになる日本でやっているのです。 

横田基地周辺一帯で連日轟音とどろかせる米軍機

横田基地は内陸にある基地です。飛び立てばそこは住宅地です。学校もあれば病院も保育園もあります。米軍は言い訳のように訓練空域などを決めていますが、実際には訓練空域などどこ吹く風で、特殊作戦機CV22オスプレイ・輸送機C130Jの異常な飛行が繰り返されているのが実態です。

特殊作戦機CV22オスプレイは日米合意など知らんと、基地周辺の福生市・羽村市・瑞穂町・昭島市で、ヘリモード、変換モードで住宅地上空を低空飛行し、基地に戻るとホバリングを続ける無法ぶり。抗議の声を無視し、機関銃の銃口を突き出し、夜間になっても訓練は続けられ、基地近くの住民からは、爆音と振動で「窓がふるえる」「テレビが見られない」「うるさくてねられない」などの抗議の声が上げられています。

輸送機C130Jは連日のように轟音をとどろかせ、東京西部の緑豊かな日の出・あきる野・五日市・青梅で、さらには奥多摩湖上空でも、山すれすれに飛び回っています。

どこもかしこも低空飛行が当たり前、急旋回、急降下、急上昇も何でもあり。だから直下に生活する住民にとっては全くひどい状態となっています。

こんな中、4月初めに五日市の住民から、買い物帰り「急降下して来て一瞬墜落するかと恐怖が走った」と言う切実な声が届きました。こんなことは決してあってはならないことです。             

返ってきた答えは「飛行機は落ちます」「基地周辺も訓練場です」

いま全国で、北から南から米軍機による低空飛行が大きな問題になっています。その多くは横田基地から飛び立ったC130JとCV22オスプレイであり、沖縄まで出向いて「外来機が住宅地上空で低空飛行」「嘉手納基地で危険な降下訓練実施」などと大問題になっています。

ご存知のようにオスプレイは欠陥機であり世界1危険な航空機といわれており、墜落の危険が常につきまといます。横田基地を抱える地元東京における追及の声が十分でないことをいいことに、米軍の横暴勝手が全国へ拡大し、繰り返されているような気がしてなりません。

最大の問題は、これほど日本国民・都民・地域住民の暮らしの安全といのち=人権が軽んじられているのに、政府も東京都も米軍に抗議することなど考えられないという姿勢だということです。かつて地元の住民が平和委員会と共に、欠陥機オスプレイの危険性と、住宅地上空を使った異常な飛行について防衛省に出向き、これを質したとき、返ってきた答えは「オスプレイに限らず航空機はいつか落ちます」「基地周辺上空は米軍の訓練場です」という驚くべきものでした。

主権国家であれば、外国の軍隊に首都の住宅密集地上空を戦争の訓練場に差し出すなどということは考えられないことです。日本は恥ずべき従属国家です。 

4月の日米首脳会談で一層明らかとなった米軍基地の危険性

4月の日米首脳会談で、台湾問題が重要な新たな軍事的危機をはらむ問題として急浮上しました。浮上した台湾問題とは何でしょうか。

米政府は、今年1月「インド太平洋における戦略的枠組み」と題する機密文書を、異例にも30年も早めて公開しました。その狙いは、次期バイデン政権に対して「強固な対中姿勢を前面に押し出し、強硬路線をとらせる」ことでした。

中国は、台湾を領土・主権に関する「核心的利益」に位置づけ、「譲れない一線」としています。一方米国は、台湾への武器売却や政府高官の往来を進め、台湾海峡に艦艇を派遣するなどを繰り返してきました。

こうした中、ロシアが冬季ソチ五輪の後クリミヤ半島を一気に併合したように、来年の冬季北京五輪の後に「台湾有事」の危険があるとか、「6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性がある」(米議会での米インド太平洋軍司令官の証言)など、危機感をあおる動きが強まっています。

こうした中、米国にとって台湾有事に備える重要な軍事的拠点が、日本に置かれた米軍基地群であり、自衛隊の基地群であることは明らかです。とり分け重要な基地群が「第1列島線」上に造られた奄美大島や、宮古島・石垣島などの沖縄南西諸島につくられた自衛隊ミサイル基地群です。

米国は、現在の軍事力では中国を抑え込むどころか、対等に渡り合うことも難しいと分析し、中国大陸を射程に入れる中距離ミサイルをここに配備するか、日本に買わせるか検討しているといわれています。日本が中距離ミサイルで武装したら本当に安全が守られるでしょうか。

台湾有事は、実態としては米中戦争ではなく、日中戦争になると危惧されています。

何か突発的な出来事で、米軍のミサイルが日本の領土から中国・台湾に向かって発射された瞬間から、たちまちこれは日中戦争に転嫁し、大量の超高速最新鋭の中国のミサイルが沖縄の基地に打ち込まれるだけでなく、日本列島の米軍基地に打ち込まれ、周辺の住民が巻き込まれ、大惨事となる危険があるのです。

横田基地が例外になることはありえません。在日米軍・第5空軍司令部・特殊作戦司令部・航空自衛隊航空総隊司令部などが置かれている横田基地が、最も危険だということはだれでもわかることでしょう。

こうした危険な事態を防ぐには、辺野古基地建設の強行、馬毛島に軍事要塞を作ること、南西諸島への中距離ミサイル配備を止め、膨大な無駄遣いである敵基地攻撃能力保持を断念し、平和憲法を持つ国として、外交力を発揮し、戦争ではなく話し合いで解決すること以外に道はありません。 

軍事同盟なくし、安心して暮らせる東京・日本を

東京全体では多摩地域にある横田基地周辺での異常な訓練への関心は、それほど大きくありません。一方、都心部にある麻布へリ基地(赤坂プレスセンター)で繰り返される米軍ヘリの超低空飛行は深刻ですが、西の三多摩方面ではあまり知られていません。最近都心部での米軍ヘリによる低空飛行が大きな問題となっています。軍用ヘリがまるで遊覧飛行のように都心部を飛び回っていることに、怒りの声が上がっています。

さらに、羽田空港への都心上空を使った民間機の分刻みの超低空飛行問題は、23区方面では大問題です。東京の西と東で米軍機・航空機による騒音・墜落の恐怖が社会問題になっています。

都民の命と安全を脅かしているのはコロナだけではありません。オスプレイが飛び回る下でオリパラなどとんでもない事です。恥ずかしくて世界からお客さんを招くなど、資格がありません。

都民は心を一つに手を結び、こんな危険なことを許し続けてきた都政も国政も、政治の根本を大転換させ、軍事同盟を打ち破るため力を合わせましょう。         

2021年5月21日金曜日

全国革新懇第40回総会・40周年記念の夕べ5月15日

 全国革新懇第40回総会・40周年記念の夕べ開かれる

 5月15日、学士会館で全国革新懇第40回総会と40周年記念の夕べが開催され、オンラインで各地からの発言もありました。

 総会では池田香代子さん(代表世話人)が開会挨拶。 (動画紹介)     

小田川和義さん(代表世話人)が報告と提案を行い、10人が発言しました。

小田川和義さんの報告と提案(動画)

発言の一部を紹介します。

※小松泰信さんの挨拶・発言(新代表世話人・岡山大名誉教授)

今井文夫東京革新懇事務局長発言


全国革新懇40周年記念の夕べ
記念の夕べでは、杉井静子弁護士が開会挨拶。革新懇40年のあゆみのビデオ上映、海老名香葉子さん、中野晃一さん、望月衣塑子さんが祝辞を述べました。志位和夫代表世話人(日本共産党委員長)が「市民と野党の共闘と革新懇運動の40年」と題して記念講演(you tube・ユーチュウブで見ることができます)。
閉会挨拶を小林節さん(慶大名誉教授)が行いました。
※開会挨拶 杉井静子さん(代表世話人・弁護士)

※海老名香葉子さんの祝辞
※中野晃一さんの祝辞(上智大学教授)
※望月衣塑子さんの祝辞(東京新聞記者)
※小林節さんの閉会挨拶
※革新懇40年の歩み(ビデオ)













2021年4月26日月曜日

 都議選迫る、今後の日本の未来も決める

「コロナ」対策徹底で安全安心の東京か、大企業と開発優先の継続か

                       東京自治問題研究所 石橋 映二


1.都議選結果の影響は大きく、全国的に広がる

2021年都議選は625日告示・74日投票です。

自治体議会選挙は、その結果が住民の多様な意見や要求の反映であり、その後の議会での議案審議での論点を明確にすることから、「住民の代表」といわれる由縁です。それには、議員構成の男女比の不均衡是正も重要課題です。

また、都議選結果は、都議会運営のみならず、その後の国政に大きな変化をもたらします。

さらに、今回の自公連携復活、立憲民主党と共産党の野党間候補者調整への都民の選択は、将来の行方も決めることとなります。

そのためには、都知事の「専決処分」の権限濫用を許さないという関係構築は、今般の「コロナ」禍対策の補正予算や条例新設・改正などの経過から、議会権能に係わる重要事項として改めて問われるべきです。

同時に今期議会で、各派協議を重ねられ、子どもの権利及び都の責務の明確化、実効性の担保の視点からの提起を幅広く取り入れた「条例」成立に寄与できたことも重要なことでした。

 

2.大規模開発・デジタル都庁構想まい進に歯止めを

1)「コロナ」対策の抜本的強化で、安全・安心を守る福祉重視の東京に転換を

昨春からの「新型コロナ」パンデミック(感染爆発)は、2ヵ月余の「緊急事態宣言」解除後も感染拡大が続き、2回目の「宣言」が出されました。さらに、その「宣言」解除直後に、「変異株」による4波が深刻化、「まん延防止等緊急措置」が発せられ、極めて深刻な事態を招いています。

「新型コロナ」禍は、まさに経済のグローバル化と国民のいのち・暮らしを軽視した新自由主義政策推進による社会の脆弱さを明らかにしました。いま、まず必要なのは、感染症対策の抜本的強化です。

小池都政の「未来の東京・3か年のアクションプラン」の『戦略0(ゼロ)』(別掲)では、「新型コロナ感染症に打ち克つ戦略」を掲げ、「『見えざる敵』である感染症に打ち克つ」とし、「東京ίCDC疾病予防センター)」を核とした3つの対策を掲げますが、極めて限定的で、大規模PCR検査を実施し、無症状感染者を把握したうえで、対策を打たないことには、とても「打ち克つ」とはいえません。

2021年度都予算では「直近の感染状況に応じて補正等の対策を迅速に講じる」とし、国交付金頼みの補正予算対応に委ねて、知事が都民に自粛を呼びかけるのみで、保健所機能の抜本的強化対策予算も、コロナ感染者を大量受け入れて、医師・看護師をはじめ関係者の疲弊が極まっている都立病院も僅かに医師1名、看護師8名増員です。

その一方、都立病院・公社病院の地方独立行政法人移行準備予算を合計39億円計上しています。

ところが、知事与党の「都民ファースト」や自民・公明等の各派は、都民からの「独法化中止」請願に対して、事もあろうに不採択としました。

また、国保、後期高齢者医療、介護保険の交付金や補助金増には冷たい政治が続きます。

さすがに、「コロナ」禍で困難に直面している方々に、緊急雇用対策「東京版ニューデール~TVA作戦」で、2万人を超える雇用創出など、生活弱者・雇用対策、「コロナ」禍の生活や暮らしへの対応、中小企業支援等が各局予算には組まれています。問題は、増え続ける対象者にどこまできめ細かな対応ができるかです。

 

2)「2020東京オリ・パラ大会」強行と「稼ぐ東京」・国家戦略特区に厳しい審判を

➀「コロナ」禍での2020東京オリ・パラ大会強行

2020東京オリンピック・パラリンピック関連予算は、大会経費、大会関係費、大会コロナ感染症対策、緊急対応費など合計2953億円を計上、更に大会関連経費、レガシー創出経費など総額は4028億円です。

累計の都負担は1兆4500億円で、このまま大会を強行すれば、これに留まる保証はありません。

オリンピック立候補ファイルの大会経費は、総額が8000億円(東京都・国などで4500億円、組織委員会が3500億円)ですが、既に総経費は3兆円以上に膨れ上がり、東京都の負担額は当初想定した約5倍です。

 「2020東京オリ・パラ大会」強行で感染拡大か、それとも、直ちに中止して、コロナ禍対策に集中化して感染を抑えるのかが問われています。

 

②政府・財界方針推進の都庁のDX・デジタル化

また、小池都政が212日に発表した「『未来の東京』戦略(案)」、「『未来の東京』戦略(案)~3か年のアクションプラン」、「シン・トセイー都政の構造改革QOSアップグレード戦略()」の3つの戦略を貫くのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進です。東京版Society5.0「スマート東京」に加え、「社会と都庁」の2つの構造改革を進めています。

また、「都政の構造改革」の7つのコア・プロジェクト①未来型オフィス実現②5つのレス徹底推進③ワンストップ・オンライン手続④オープンデータ徹底活用⑤スタートアップ・シビックテックとの協働推進⑥内部管理事務抜本見直し⑦組織・人材マネジメント変革は、美辞麗句で飾られていますが、その実態は「デジタル庁」・「デジタルサービス局」に象徴されるDX・デジタル化推進です。

特に、「オープンデータ徹底活用」は、個人情報保護の立場からの厳しい検証が求められます。

本格的に始動した「スマート東京」関連予算は、全局的に網羅され、電子都庁基盤の運用管理109億円をはじめ、学校関係だけで240億円余、さらに行政のデジタル化、起業・創業促進等々1兆円近くの巨額な都財政が注ぎ込まれています。

 

③「稼ぐ東京」、カジノ誘致を促進する国家戦略特区

DXは、ベイエリア(湾岸地域)や都心部などの国際金融都市づくり・都市再開発や子育て・教育・就労対策・高齢者・障がい者など都民生活に直接関連する全ての分野の施策に組み入れられています。

石原、猪瀬、舛添歴代知事と自公両党が進めた大規模開発・国際金融都市などの国家戦略特区路線を、「2020東京大会」を口実に、「稼ぐ東京」を旗じるしに一層推進する小池都政の計画となっています。特に、東京を上海、シンガポールを凌ぐ「アジア1位の国際金融センター」づくりの拠点化も謳われています。

「ベイエリアから世界最先端を取り戻す」として、規制緩和で、「世界の人を魅了する遊び場」として、統合型リゾート施設IR(カジノ)誘致が可能な計画となっており、特に、破綻必至なカジノ調査予算を8年連続で計上したことは大きな問題です。 

別掲 

   「未来の東京」戦略() 事業費一覧

(東京都庁ホームページより)  単位:億円

 

 

戦略名

2021年度

事業費

3ヵ年事業費

戦略0

感染症に打ち克つ戦略

283

戦略1

子供の笑顔のための戦略

1,437

4,315

戦略2

子供の「伸びる・育つ」応援戦略

929

2,811

戦略3

女性の活躍推進戦略

1,222

3,824

戦略4

長寿(Chōju)社会実現戦略

367

1,274

戦略5

誰もが輝く働き方実現戦略

227

550

戦略6

ダイバーシティ・共生社会戦略

358

1,076

戦略7

「住まい」と「地域」を大切にする戦略

999

3,151

戦略8

安全・安心なまちづくり戦略

5,477

16,888

戦略9

都市の機能をさらに高める戦略

4,322

15,162

戦略10

スマート東京・TOKYO Data Highway戦略

224

884

戦略11

スタートアップ都市・東京戦略

226

358

戦略12

稼ぐ東京・イノベーション戦略

684

1,759

戦略13

水と緑溢れる東京戦略

3,446

10,846

戦略14

ゼロエミッション東京戦略

1,589

4,645

戦略15

文化・エンターメント都市戦略

86

271

戦略16

スポーツフィールド東京戦略

177

472

戦略17

多摩・島しょ振興戦略

3,477

11,278

 

総計

13,888

43,372

④安全無視の外環道工事、街こわしの特定整備路線、空の安全など

昨秋に起きた外環道地下工事による調布市の陥没事故に住民は大きな不安を訴えています。また、住民追い出しと街こわしの品川や板橋などの特定整備路線も引き続く方向になっています。

また、インバウンドと国際金融都市・外国人活用の狙いで、都心を低空縦断する羽田新ルートの機能強化調査予算も含まれます。

また、都心上空の米軍ヘリ飛行、横田基地で危険なオスプレイの夜間飛行訓練の集中を指摘し、特殊作戦部隊拠点化の実態について知事の認識を質しましたが、正面からの答弁はありませんでした。米軍ヘリの都心超低空飛行は、ドイツやイタリア、イギリスでは国内法が適用される一方で、日本では、米軍がわが物顔で飛行しています。日米地位協定は改定が必要ですが、現行でも国内法を遵守する義務を負っており、住民の命と安全を脅かす飛行の中止と、基地の撤去を求めるべきです。

 

3)個人の尊厳と多様性を尊重する都議会と都政に

20146月都議会で、女性の妊娠・出産をめぐる都の支援体制を質問中の女性都議に、自民党都議が差別発言をしたことは、当時の海外メディアからも厳しい目が注がれました。

そんな事象があったにもかかわらず、いかなる差別の排除を謳っている「オリンピック憲章」のもとで成り立っている東京オリンピックの大会組織委員会の前会長が、「女性がいると話が長くなる」といった主旨の発言をし、女性蔑視だと批判を浴びました。当然、厳しい批判は世界各国からも集まりましたが、会長交代・女性会長就任などの当面の対処で収まるものではありません。抜本的な改善を求めねばなりません。

また、都立高校の「地毛証明書」などの厳格校則─その後、頭髪指導は改善を求める「通知」が出されましたが、「子どもは、あらゆる場面で権利の主体として尊重され…意見を尊重するとともに、子どもの最善の利益を実現することは、学校教育においても同様に重要」と教育長が答弁したことは画期的です。

国の小学校での35人学級の実現を5年かけての推進という変化を受けて、都の少人数学級実現への改善に向けては、これまでの立場を抜本的に改めて進めるべきです。

そのほか、性的マイノリティなど様々な課題での個人の尊厳と多様性を尊重するという民主社会のルールが当然のこととして普遍化している都議会と都政への転換が急務です。