②西武革新懇、青木さんの発言
東京革新懇 とうきょうかくしんこん
平和・民主・革新の日本をめざす東京の会
2026年6月5日金曜日
全国革新懇総会での東京関係発言20260530
②西武革新懇、青木さんの発言
永井玲衣さんの講演 対話が日本を変える 東京革新懇 人間講座
対話が日本を変える!
5月16日に全労連会館で開催しました東京革新懇人間講座第30夜「対話が日本を変える!」における哲学者・永井玲衣さんの講演要旨をご紹介します。会場には104人が参加し、講演は大変好評でした。「対話」の重要性が強調される昨今、対話のもつ社会との関わり、奥深さなど考えさせられる内容でした。なお、講演タイトルは事務局がつけたものです。
長らく活動を続けていらっしゃっている皆様に向けて、恐縮ながら考える場を持ちたいなと思ってまいりました。
私は全国いろんな場所を巡り人々と聞き合い、考え合う対話の場を作る活動をしております。北海道から沖縄まで、学校や企業もありますが、シェルター、病院、被災地、困窮地域と呼ばれる場所、路上、電車の中、美術館などで行っています。
問いを大切に
私が試みる対話の場は輪になって聞き合うということが多いです。
これは古着屋さんで、初めて出会う人と輪になって、「人を信じるとはそもそもどういうことか」という問いに集まって考えています。とてもゆっくりした時間がながれています。
福島県の原発事故避難区域に通っています。浪江町の中学校で、持続的に外部講師として関わり哲学の授業を開いています。私は問いを立てることを大切にし、「自分の町という言葉の前に立った時に、あなたはどんな問いが浮かびますか?」から始めています。問いを一緒に聞き合うことを大切にしています。
生徒さんが「この町が好きなんだけれどもこの町を出たいと思うのは何でだろう?」って問うた。モヤモヤに立ち返った時のつぶやきのようなものを置いてくれた。
問いというのは人々を対等にする。私はこの地域に住んではいませが、その問いには参加できる。その子の固有の問いながら、同時に普遍性を持つ問いです。そうしたことを聞き合っていくということ、これが対話だと思います。
対話は、コミュニケーションの一つではなく、もっと根本的なものとして捉えたいと思っています。
修復としての対話
相模原障害者殺傷事件がありました。私は北九州市にあるホームレス支援をしているNPO法人「抱樸」といろんな場を作りますが、理事長の奥田知志さんが、相模原殺傷事件の犯行に及んだ植松氏と面会をした時、植松氏は「役に立たない人間は殺すしかない」と繰り返したそうです。奥田さんが「あなたは役に立つ人間だったんですか?」と問うた。植松氏は逡巡しながら「僕はあまり役に立たない人間だった」と答えた。優生思想が内面化され、それに囚われている人は自分も攻撃しています。
ビジネスの現場では「生産性が上がる対話」とか「新しいコミュニケーションの方法」と言われ、消費される。なんで今対話が必要なのかと言ったら、私は修復という言葉で捉えています。
日本社会では共に考えるということに慣れていないと言われます。事態は深刻で、もっと傷ついているのではないかと考えています。ですから、修復という視点が必要なのです。現場を重ね教えてもらったことですが、声を聞かれるということはその人の尊厳に関わることだということです。対話は傷ついた社会や個人の修復の試みでなければならないと思います。何よりもまず目の前の人の声を本人が終わりですと言うまで聞くことです。
対話は聞き合うこと
私はこの場が対話的であるためにということで三つの約束をします。
一つ目はよく聞き合うことです。私は対話は、聞き合うことと言い換えています。私が大切にしているのは、沈黙に耳を澄ませるということです。
対話の場では、鳥のぬいぐるみを持って行き、ぬいぐるみを持っている人が話す、それ以外の人は聞くという約束をお願いしています。鳥を持っている間はその方の時間なので、「そうですね。うーん、わからないですけど」みたいに話しされる方が多いですが、その数十秒、数分の沈黙にその人の言葉・表現があります。そこにも一緒にいようとすることを大切にします。その一時間、二時間は、そういう時間を過ごすことをみんなで決めています。対話の場は本当にゆっくり進みます。沈黙もたくさん訪れます。でもそれが大事だと思います。
非人間化に抗う対話
私が対話の場でおーと思うのは、企業で対話の時間を終わると、ある社員さんが「部長って人間だったんだ」と言った。怖い顔していた部長がいきなり「俺死ぬの怖くて」「俺子どもの頃こんなこと考えてて、どうして忘れてたんだろう」とか。部長はみんなにとって人間ではなかったということです。私たちの社会は様々な非人間化を生きていると言えます。
虐殺や戦争の現場では、動物、ゴキブリであるとのまなざしで害を与えるということがあります。人間が人間を殺すことはとても難しいと言われます。軍隊で最初に習うのは相手を非人間化する方法と言われます。この非人間化ことのために、テクノロジーも発展し、銃であったり戦闘機であったりする。戦場を体験した兵士たちのPTSD、陸軍の発症率より空軍の発症率の方が低い。空軍は空高く飛び上がって爆弾を落とすから発症率が低いと。無人型ドローンが開発され、殺すことを楽にするためにテクノロジーが使われています。自分を非人間化し兵士になる、あるいは労働の現場でそういうことが起きています。
対話でその人の声を聞こうとすると相手が人間になってしまいます。対話とは非人間化に抵抗するい、あるいはそういうものを自然に作り出すと思っています。
対話は自分の言葉で
二つ目の約束に「私をぜひ主語にしてください」と言っています。「私は」との主語で話そうとすると、途端に人は話すのが拙くなります。私はその拙さを心から愛しています。「目の前の人に伝えよう」という時、ぽつりぽつりと人は語ります。
例えば、「しんどいよ」との思いを持った人たちの集まりで、「みんなどうやって生きているんですか?普通に就職したり、恋愛、結婚したり。どうやって?自分は流れる川の真ん中に突き刺さっている棒杭。みんながステージを変えていくのをただぼーっと見ている。ずっと、ずっと」と。彼はこの言葉、5分ぐらいかけてゆっくり話した。でもなんか言葉が光っているなと思う。特に「自分は流れる川の真ん中に突き刺さっている棒杭」、本当に詩のような言葉だなと思います。
主体というのは意見や主張を持ち理性的で自立的だと考えられてきました。でも対話の場の人間というのは、場に揺さぶられ、変容し続けます。考えも変わります。言葉が変わったり、見え方が変わったりする。でも傷つけることに抗いながら、なんとか一緒にいようとするという対話はとても難しいし面倒くさそうです。
そこで私は哲学対話という手立て
に希望を持っています。全国革新懇ニュースで取材していただいた時にもお話しましたが、「わからなさ、問いが真ん中にあると一緒にいられるかもしれない」ということです。大事だと思うのは「聞いてあげる」ではなくて「一緒に考える」という場です。
例えば地域のおばあちゃんが「雑草が抜いても抜いても生えてきて」って、急に止まって「でもなんで私雑草抜いてるんだろう」と言った。面白い問いだねってみんなで考え合った。誰かが「それは綺麗にしたいからでしょ?」とか終わらそうとするわけです。またおばあちゃんが「なんで綺麗にしたいの?」。「別に抜く必要のない雑草も抜いているよね」みたいな話になって、問いは「なぜ私たちは異物だと思うものを簡単に排除しようとしてしまうのか」という問いに育っていきました。
これも最近高校生が教えてくれました。「先生たち、大人が、そんなんじゃダメだぞ。社会は厳しいぞ。社会で通用しないぞって言われるんです。でも大人の言う社会って会社のことなんじゃないんですか?」「私が今いる学校って社会じゃないのかな?」って。「社会ってどこにあるんですか?」との問いを教えてくれました。何人かそこに大人いましたけど、大人ガーンってなってました。
私は年間三百回ぐらい、十数年続け、一年に六千ぐらいの問いに出会い、何万という問いに出会ってきましたが一つとして似た問いはない。
誰もが問いをもち、どの問いも個性を持ち、どんな現場も問いが出ないことはありません。哲学対話したくて集まる現場の方が少なく、対話をするつもりじゃなかった人とやる現場が7割ぐらい。
社会問題の問い
社会問題と「問い」はあんまり結びついてない。社会問題に対して、わからなさを問いとして出会うことができるんじゃないかと思う。「選挙」「原発」「憲法」などテーマをもってやるときがあります。「選挙という言葉の前に立った時にどんな問いがありますか?」と聞いたことがあります。大学生が「投票にすっぴんで行っていいのかな?」と言った。なんでそれが気になるのと言ったら、「投票ってちゃんとしなきゃいけないことな気がしてて、ちゃんとするためにお化粧しないといけないと思った」と言った。これはすごく大事な問いだと私は思ったわけです。大変社会的な問いです。こんなつぶやきのようなものから問いって育っていく。さっきの雑草の問いもそうです。そうすると、みんなで聞き合って、互いが人間だなと思い合いながら考えが進んでいくということがあります。
社会問題の問いというのはこうすべきではないかという問いが多いと思いますが、「そもそもどういうこと」というところから始める場ももっとあってもいいと思っています。
核兵器を持てば強い国と言うけど、そもそも強い国って何だろう?核兵器持つべきだという人も、廃絶すべきだという人も一緒に考えられる問いです。「そういうものだよね。戦争はなくならないよね」に対して、問うことは抗うことだと思います。一人で抗うのではなくて、問いがいいのは他者を求めることです。「わかんないから一緒に考えてほしいです」と問いそれ自体は他者を求めるのだと思っています。人つなげるものだという希望を持っています。
脱暴力としての対話
「修復という対話に興味がある」と同時に私は脱暴力としての対話にとても関心があります。反暴力、非暴力ではなく、脱暴力とあえて言っています。反暴力、非暴力は、暴力と私が向かい合って格闘している感じがしますが、脱暴力という言葉は、私も当事者な感じがすると思います。
私たちは暴力というものをもちろん受けもするし、与えもしてしまう。暴力というものに関わっているからこそ、みんなでそれを防ごうとする言葉になるなと思い脱暴力と言っています。
対話というのは緊張を作り出します。キング牧師は「実に対話こそが直接行動の目的です。非暴力直接行動の狙いは、対話を絶えず拒んできた地域社会に、争点と対決せざるを得ないような危機感と緊張を作り出そうとするものです」と語っています。対話が暴力ではない仕方で緊張を作り出す。それこそ皆さんがずっとされてきたことじゃないかなと思ったりもします。
対話というのは共に生きるということがとても関わるものだと思います。暉峻淑子さん、対話の場をたくさん作られてきた方のとても素敵な言葉「バス停の数ほど対話の場を」を紹介して話しを終わります。
皆様のご活動に励まされながら、また皆様と一緒に対話の場をたくさん作っていくということができたらいいなと思っています。
【文責:事務局】
2026年4月24日金曜日
東京革新懇総会川田忠明氏記念講演 トランプ追随の大軍拡では日本の安全守れない!
トランプ追随の大軍拡では日本の安全は守れない
―イラン攻撃と世界秩序―
日本平和委員会常任理事
川田忠明さん
3月15日の東京革新懇総会の川田忠明さん講演要旨を紹介します。情勢と切り結び、軍拡支持の人々と対話のヒントなど大好評。多くの方に広げて頂くことを呼びかけます。
トランプ政権のもとでの歴史的岐路
トランプ政権の登場により、平和の世界秩序を守り再興していくのか、覇権主義が跋扈する世界を許すのか問われる歴史的岐路にある。
アメリカの基本戦略である国家安全保障戦略が昨年末に発表された。西半球は、敵対的な外国勢力の侵入、重要な港湾など所有を許さない、重要な供給網を支える地域にするとしている。アメリカが19世紀にヨーロッパとアメリカ大陸は干渉しあわないという政策のモンロー主義をもじりドンロー主義と言われる。干渉はアメリカ大陸にとどまらない。イランについては、イスラエルの安全を守ることはアメリカの核心的利益とし、実際、攻撃にふみきった。アメリカの支配層の中にはユダヤロビーという勢力があり、トランプ支持基盤に福音派というキリスト原理主義がある。
これは戦後のアメリカの政策の大転換といわれる。アメリカは様々な軍事干渉をやってきたが、民主主義や人権、自由を建前にしてきた。トランプは自分たちにとって何がいいかで判断すると言っている。アメリカ外交問題評議会という権威ある団体の名誉会長リチャード・ハースは、米ソの対立がなくなって以来の最大の方向転換と言っている。
同盟国も、これまで法の支配や自由と言うアメリカの口実を支持してきたが、イラン攻撃では、カナダのカーニー首相、フランス・マクロン大統領も国際法の枠外で容認できないとし、イギリスのスターマー首相はイランへの作戦には参加しないと表明。これに対し、高市首相は、法的な評価は出来ないと国連憲章違反を批判できないのは、まことに恥ずべきことだ。
平和秩序か覇権と戦争の世界か
ヨーロッパの国々ではアメリカが頼りにならないなら自分たちで軍拡やると危険な方向が出ている。これは、実際には戦争を準備するものだし、国民負担も増えるし、未来のある道ではない。それに対してもう一つの方向がある。国連憲章違反があればそれを守れと団結するということだ。グローバルサウスと言われる第二次世界大戦後に植民地から独立した国々、中小の国々は、共通のルールがあって自分たちは守られてきたという意識があるから、ヨーロッパとかカナダ、日本を含めて団結できれば新しい世界秩序が可能だと思う。その選択を左右するのは、世界の世論と運動だ。平和の秩序か、覇権と戦争の世界か―正面から問われる歴史的局面にある。
私も日本平和大会でご一緒したことがある元フィリピン下院議員のウォルデン・ベリョさんは「グローバルサウスにとっては好機でもあります。今は国際秩序の過渡期です。国際法に基づく秩序が崩壊しているというのは欧米のプロパガンダで、実際は米国が君臨してきた秩序が何か別のものに変わるということです。グローバルサウスは国連で多数派です。困っているのはむしろ、日本や韓国、西欧でしょう。彼らは批判の声を上げることができない。わずかな批判で米国の支援を失うことになるからです」(「朝日」2026.2.16)。
今の状況は重大な危険はあるが、新しい可能性あることを私たちは見ていかなければならない。
帝国主義時代への逆行か―世界の本流
一部のメディアや専門家には、帝国主義時代に逆行するかのような論調があるが、今の世界の本流を見れば19世紀と根本的に違うことが分かる。一例が主要20カ国首脳会議G20だ。アフリカ連合、EUヨーロッパ連合もふくめ、5大陸の主要な国々が入っている。ここの宣言は満場一致で採択される。宣言の一部を引用すると、国際法、国連憲章および紛争の平和的解決の原則に従って行動する、領土取得を追及するための武力による威嚇または武力の行使は慎まなければならないとしている。パレスチナ占領地およびウクライナにおける公正で包括的かつ永続的な平和に向けて取り組むと言っている。ロシアも反対していない。国連憲章の立場には誰も反対できない。
世界の本流の力が発揮されたのが核兵器禁止条約だ。署名・批准した国は国連加盟国193の過半数を超える99カ国。禁止条約を作り上げたのは大国抜きの集団の力だ。その集団の力を発揮していくことが、トランプやプーチンの横暴を抑えていく一番の力だと思う。
第80回国連総会で、赤道ギニア政府代表は「核兵器禁止条約は国際法と国連憲章の原則に合致し、国際システムの新たな規範的、倫理的、人道的な柱として中心的な役割を担っている」と発言。昨年の締約国会議でも、タイ代表は「禁止条約は単なる条約以上のものとなった。核兵器の断固たる拒否であるとともに、集団行動の力の証だ」と述べた。世界を前に動かすことができるとの自信に満ちている。
日本の安全に何が必要か
次に、高市政権が進める大軍拡で日本を守れるのか、軍備=「抑止力」を増強して効果があったのか、と問いたい。
2015年に集団的自衛権の行使容認を閣議決定し安保法制を強行。この年の軍事費は約5兆円。23年に安保三文書を閣議決定し大幅な軍拡開始。この年は約7兆円。昨年度は8.7兆円、補正予算含めると9.5兆円。15年から当初予算だけで66兆円になる。
世論調査では、日本を巻き込んだ戦争の可能性があるという人は22年62%。15年50%から増大。抑止力は戦争を起こさないためのものだと政府は言ってきたが、事実の問題として国民の不安は拡大。防衛白書でも、時をへるごとに日本の安全保障は一層厳しさを増していると述べている。政府のやっていることは、まさにマッチポンプ状態だ。
宮城の革新懇シンポで志位さんが紹介しているが、何人かの専門家の研究では、1993年から2007年までの144カ国の軍事費のGDP比を調べたところ、他国の軍事費の増に対応して軍事費を増やすと際限のない悪循環に陥ることが明らかになっている。
もう一つは、1979年のカナダ・ブリティッシュコロンビア大学のマイケル・ウォレス教授の論文。軍拡競争を先行させる紛争の国々は28件中23件、82%が戦争までエスカレートした。軍拡競争を先行させなかった紛争は71件中戦争になったのは3件4%にとどまったとしている。1997年にオーストラリア大学平和研究センターのスーザン・サンプル氏が再度、新しい資料で5年かけ調べた結果、同様の結果だったと報告している。
世論調査では、軍事費増支持は多数だが、そうした人々でも納得できない例を示すことが大事だ。その一つが、アメリカの代理で軍事行動を行うことだ。アメリカ国家安全保障戦略では、第一列島線を防衛するために日本や韓国の軍事費を増やせとしている。日本の自衛のためではない。しかも、ヘグセス国防長官は、金出すだけでなく重要なのは「行動だ」としている。
日本の自衛でなくアメリカの要求が出発点というのも問題だ。元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は「これだけの軍事費って日本を守るために積み上げたものなんだろうか」「砂糖の山にたかるアリ、金が出たものは何でも買っちゃう状況になっている」と表明(「朝日」
22年12月17日)。
アメリカからの武器の買い方も問題だ。アメリカの「対外有償軍事援助」は、値段も納期もアメリカ次第だ。会計検査院調査では、1兆1400億円分が金を払っているのに5年経ても品物が来ていない。
政府は「抑止力」が大事としか言わないが、「抑止力」が失敗するケースから話を始めることも大事だ。「新外交イニシャティブ」が2022年に政策提言を発表した。軍事力による抑止は相手に対抗策を招き、無限の軍拡競争をもたらすとともに、抑止が破綻すれば、増強した対抗手段によってより破滅的な結果をもたらすことになるとしている。
これは第3回核兵器禁止条約締約国会議でも議論され、会議の報告書は「核抑止が失敗する可能性があるという事実は議論の余地がない」と、ここを共通の土台にしている。実際、核戦争一歩手前まで行ったことは沢山事例がある。
非核三原則の見直しの危険についても述べたい。アメリカの「核の傘」を有効にするには、核持ち込みを認めるべきというのが高市さんの持論だ。北朝鮮がアメリカに大陸間弾道ミサイルを撃つと着弾まで24分。その前に日本近くから撃つ方がよいというのはアメリカの考えであり、そうなれば日本はアメリカの核攻撃の前線基地になる。それらの基地は核攻撃の標的になる。
日米安保条約が大事と思っている人は多数だが、最近の世論調査では、「いざという時に米国は本気で日本を守ってくれない」と思う人が8割近くいる。トランプ政権下で、私達の運動にとって重要な条件が広がっている。
脅しから「安心供与」へ
脅威は三つの要素で成り立つ。攻撃する能力(軍事力)、攻撃する意思(国家指導部の認識)、攻撃する条件(国内外の情勢、国民の支持)。兵器があるだけでは脅威にならない。攻撃する意思は対話・外交が無ければ把握できない。日本政府は、北朝鮮は「これまで以上に深刻かつ差し迫った脅威」(防衛白書)としているが、対話ルートがない。中国は、軍事安全保障に関する意思決定プロセスの不透明だと言っているが、首脳会談すらできず、十分な対話がない。
「抑止」は英語ではdeterrence、語源はラテン語の恐怖、相手に恐怖を与えることが本質だ。先に触れた「新外交イニシャティブ」は「戦争を確実に防ぐためには、『抑止』とともに、相手が『戦争してでも守るべき利益』を脅かさないことによって戦争の動機をなくす『安心供与』が不可欠である。しかし、日本においては、専ら抑止の観点からのみ安全保障を論じる傾向が強く、安心供与の概念はほとんど認識されてない」(2022年11月)と延べている。重要なポイントだ。
戦争は日本の破滅、対話の糸口は?
「安心の供与」という点では日本は大きな実績がある。憲法9条の国だし専守防衛と言ってきた、ヒロシマ・ナガサキのある国だ。これらを最大限活用すれば軍事費を増やすより遥かに効果の高い「安心供与」の政策を進めることが出来る。この「新外交イニシャティブ」は「抑止」を否定せず、「抑止と共に」と書いてあるところが重要だ。大軍拡を許さない対話のヒントになる。戦争は日本の場合は破滅的だ。中国は輸入も輸出も日本の最大の貿易相手国で約20%を占める。日本の海外物流の99.6%が海上輸送。原発密集地帯でもある。ここで核兵器が使われたら破滅以外にない。これを避けるということが、「抑止力」を肯定する人とも対話の糸口となる。
二つ目は、軍事の否定から入るのでなく、「外交が足りない」から入る。外交がもっと必要だという指摘は、日米安保条約を肯定する人とも対話が可能になる。
三つ目は、今の政府のやり方は、アメリカの要求が出発点になっているという点だ。軍事費を増やした方がいいという人でも、「日本を守る」ためでなく、アメリカのために、私達の税金が使われることには、納得がいかないだろう。
逆流を超える大きな可能性
最後に、今日の逆流を乗り越える大きな可能性があるということを述べたい。「戦争する国家づくり」の突風が吹き水面が波立っているが、その奥底に平和のゆるぎない底流がある。世論調査でも9条が日本の平和に役立っているは8割(NHK
2025年)。根底には世界的もまれな、国民的な戦争への拒否感がある。世界的規模の世界価値観世論調査では、「戦争が起きたら国のために戦いますか」との問いに、日本は13.2%(「戦わない」48.6%、「わからない」38%)、オランダ28.4%、アメリカ、ドイツ、韓国はだいたい5~7割近く。世界を見ると8、9割も珍しくない。日本は断トツで世界最低だ。なぜこれほど戦争が嫌いか。その土台に9条がある。読んだことがない人を含めて9条は何となく知っている。それは平和運動があり、労働組合や女性・青年の運動があり、民主教育の運動があったから。これが底流となっている。ここにゆるがぬ確信をもつことが大事ではないか。
国会の今の力関係は危険だが、それを許さない根本の力は、国民多数の意思だ。市民と野党の共闘は困難な状況だが、新たな国民的共同の可能性が生まれている。憲法9条をはじめ、武器輸出、基地、沖縄、核兵器など様々な課題で、垣根を超えた共同が生まれつつある。そういう意味では革新懇の出番と言っていい。みなさん方の活動が更なる飛躍を遂げることを期待して私の話とさせて頂きます。 (文責 東京革新懇)
2026年3月31日火曜日
東京革新懇総会
東京革新懇第34回総会開催
改憲の危機、緊迫感溢れる討論行われる
記念講演 トランプ従属の高市政治を鋭く告発
日本平和委員会常任理事の川田忠明さんが「トランプ追随の大軍拡で日本の安全は守れない-イラン攻撃と世界秩序-」と題して記念講演。「情勢に噛み合いとても良かった」など大変好評でした。詳細は5月号で紹介します。
開会挨拶
鳴海加代子代表世話人(新婦人都本部会長)
「50年前にアイスランドで『女性の休日』に仕事家事を休み90%の女性参加、それを契機に変えた。3月6日に女性の休日として集まった。日本のジェンダー平等は143ヶ国中118位。女性が外に出て変えられる可能性を非常に感じる。今年は革新勢力の活躍が求められる。ご一緒に力を合わせること訴えて挨拶とする」。
政党挨拶
立憲民主党東京都連からメッセージ
「東京革新懇第34回定期総会のご開催を心よりお慶び申し上げます。私たちの『くらし』と『平和』を守りぬく覚悟で日々の活動を進めておりますが、皆様とともに歩んできた道のりをこれからも大切にしながら、目の前の難局に挑んでいきたいと決意しています。貴会の益々のご発展と、ご参会の皆さまのご健勝を祈念いたします。立憲民主党東京都連会長代行 蓮舫」。
原田暁日本共産党都議会議員
「物価高騰、外交、経済、行き詰まりを打開する力を持たずにクビをすげ替えていくだけのパフォーマンス政治が続くはずがない。それに代わる民主的勢力が確立されるかだ。私は杉並選出。杉並は20年以上にわたり石原伸晃代議士が小選挙区を制する状況の地域で、4年前に岸本区長を誕生させた。区民のそれぞれ運動がバラバラだったが、一堂に会して仲良くなり力となっている。都段階でも再開発に関する11団体100人が集り、仲間とる大事な取り組みを行った。その一助となるよう都議団も働く」。なお、山添拓共産党参議院議員からメッセージを頂きました。小田川義和全国革新懇事務室長
「軍事大国化、国家主義的な政治を暴走させようとの高市政権の危険性やトランプ言いなりに日米同盟基軸に固執する問題点を具体的に語り、憲法9条改悪に反対のうねりをつくり出すことが、私たちの当面の取り組みではないか。そのために、憲法を中心においた左派の共闘を地域から再構築していく、そのために地域革新懇のみなさんの力の発揮を。戦争反対と9条改憲反対の軸とする署名の準備を進めている。地域から取り組みの準備をお願いする」。総会議案提起
今井文夫事務局長
「高市首相は、衆院憲法審査会会長に名うての改憲論者の古屋圭司氏に自ら据え強行突破の構え。今国会中に改憲条文起草委員会設置を強くねらい、早期に国民投票に持ち込むことを考えている。憲法の戦後最大の危機。日本の未来が私たちの急速な立ち上がりを求めている。高市政治のもとで暮らしの悪化も必至。高市政治と国民との激突は必至だ。たたかいと共同を大きく広げよう。その大きな発展のなかから、市民と野党の共闘の再構築、政治変革の流れをつくり出して行こう。地域から対話と共同を広げよう。都段階の共同を追及する」。
閉会挨拶
滝沢香代表世話人(自由法曹団東京支部長)
「本日16人から非常に充実した運動の努力、新しい人達からの接近、運動の工夫が語られた。各地で広げてほしい。私も国会前に行ったが、今まで見なかった風景だが、のぼりはほとんど無く、ペンライトが広がっていた。私たちの運動は、何かしなくちゃと思っている人達にこういう方法がありますよと運動を広げていこう」
総会終了後に、新春のつどいを賑やかに行いました。
職場・地域、団体発言
幅広い市民結集の反戦市民アクションは32回。総選挙後、高市に議席を与えすぎた不安があり、高校生が参加、若い人の署名が増え倍になる、対話増の変化。世論調査で70%以上がイラン戦争反対、市民の反戦の意思は多数だ。我々がどうそれをつかみ取っていくのかがカギだ。
清水浩介(東京地評幹事)
東京地評は戦後民主主義と立憲主義の歴史的岐路との重大な情勢と考えている。第一に大軍拡反対の請願署名の推進。第二にペンライトを手に路上に出るなどの新しい市民エネルギーと連携し憲法アクション2026として全都的に4月から打って出る。第三に、公契約条例の活用と自治体要請。世田谷や新宿では、労働報酬下限額が1500円を超えるなど賃金底上げ実現。全自治体に広げ地域循環型経済めざす。5・3憲法集会に大結集しうねりつくりたい。
この間の宣伝で対話になり、署名の数も増え、新婦人会員2名も増えた。市民連合の選挙総括で中道に対する意見出ている。3月20日シンポ、共産、社民、新社会と高田健さんによるパネルディスカッション。3党と市民連合で大きな流れをつくりながら、前に一緒にやっていた人も戻り広げたい。大田革新懇の議論で4月19日に改憲反対で全力で500人規模の集会行う。
加藤裕子(都教組)
憲法学習を進めてきたが、今年度は憲法連続学習講座を行い、教室で憲法を生かせる教員を増やしたい。都の教職員は長時間過密労働で欠員は150人ぐらい。教員希望者も大変少なくなっている。24年調査で1年目で240人も退職。不登校も全国35万、東京3万人。学力テストが全員対象実施から、不登校も教職員の精神疾患も増大。変えるために頑張る。署名にご協力を。
丸山重威(ジャーナリスト)
今重大な問題は、自衛隊のホルムズ海峡への派遣。そのことにきちんと意見を出さなければならない。アメリカはすでに同盟国に協力しろと要求。そうすると国際法違反など飛んじゃう。3月19日にトランプに会いに行ったら言わされる。自衛隊を出すことは絶対許さないことを総会でも出さなければならない。
今村順一郎(共産党都委員会)
共産党都委員会として、東京での新しい共同、多数派構築のために全力で奮闘する。大軍拡と改憲、民主主義破壊に対する国民の新しいエネルギーが拡大。ストリート対話を強め高市さんに期待の人とも対話が成り立っている。赤旗見本紙もかつてないスピードではけている。田村委員長の論戦傍聴への定員越える申し込み、動画の視聴が2万数千回。共産党に入りたいと言う若い人の流れが生まれている。対話と共同を広げたい。
桜井孝政(西武革新懇)
安倍政権が明文改憲に踏み出した2005年からスタートした西武線92駅巡回宣伝は20年目の昨年11月に達成。高市首相は改憲に意欲。憲法改悪は許さないとピースアクションは続ける。西武鉄道は、利益の拡大めざし駅の無人化を推進。駅無人化シンポを開催。利用者市民の運動で早朝深夜を除き駅員を配置させた。9条改憲を許さず、8時間働けば暮らせる社会めざし職場革新懇の魅力を広げたい。
田中章史(東京憲法会議)
トランプの要求に応え自衛隊のホルムズ海峡への派遣を一番心配。高市首相は施政方針演説で国会の改憲発議早急実現を期待と表明。首相は憲法99条で憲法順守義務を課され許されない。憲法審査会会長に自民改憲実現本部責任者だった古屋圭司。審査会運営は、会長と自民筆頭幹事の新藤義孝、元公明の國重徹がしきり、動きが激しくなるのではないか。古屋は条文起草委員会設置と採決もあると発言。3月20日に東京憲法会議総会に是非ご参加を。
墨田革新懇では昨年ハラスメント問題学習会開催。昨年自民党区議によるハラスメントが2件。職員に対するパワハラは区議会政治倫理条例に基づく特別委員会開催は阻まれたが同僚女性議員に対する性暴力セクハラは同委員会で出席停止5日間。総選挙で自民党への投票で首相が女性だからが3割。今日の会議参加を含め私達も率直に振り返る必要がある。世代を超え参加しやすい環境づくりが大事だ。
内藤利治(杉並革新懇)
6月杉並区長選。自民党から区議選で何回かトップ当選した区議と前回187票差で敗れた前区長が出る。岸本区政の前進面を伝えることがポインド。住民福祉を徹底し実績上げた。児童館等の統廃合を止め中学校ごとに空白に建設。非正規労働者の処遇改善。対話を重視し、130回延べ5000人のミーティング開催、職員が生き生きした区役所に変わった。何としても勝利したい。
児玉紀子(足立革新懇)
昨日、足立革新懇総会開催、参加42人、会員も100人を突破した。代表世話人と事務局に民青から加わった。この間、革新懇の共同で、ピースアクション、ウイメンズアクションなど取り組み、新婦人の雛祭り行動では27班から120人が集まっての行動など展開。通行人から様々な反応が寄せられている。新しい憲法署名、高市政権早期退陣に向け運動進めたい。
丁 弘之(府中革新懇)
府中革新懇のこだわりで月1回の会議開催と月刊の2200部のニュースを、170人会員、52団体に届け、会員には府中・全国・東京・三多摩の4点セットで配布。4年前に東京農工大正門前に統一教会系教会建設の情報をキャッチ、いち早く革新懇がキャンペーン。市民団体、市議会・市を動かし、昨年断念させた。総選挙ショック広がったが、2月に会場溢れる前川喜平氏講演、伊藤千尋さん講演。大変な情勢だがたたかいを進める。
選挙を受けて九条の会の議論は、市民の運動で押し返えす。新署名で地域に入ろう。5・3憲法集会にみんなで参加しようと議論。安倍九条改憲の時3000万署名で全駅宣伝とか戸別訪問行った。今回、本当に9条改憲が危険な状況、戸別訪問を一軒一軒やろうとの話になっている。総選挙で下村博文が復活。地域から政治変革も頑張りたい。板橋革新懇再建も頑張っていきたい。
松元忠篤(東久留米革新懇)
重大な情勢のもと、東久留米で毎週木曜日に定例宣伝。毎月ニュースを200部発行し5~6人が自転車で全国・東京・三多摩ニュースとともに配布。「戦争はイヤ!実行委」として年に2~4回の集会・ピースパレードとスタンディング。夏に他団体と共同で平和のつどい。今年もこうした取り組みを他団体と成功させ改憲と戦争への動きをストップさせたい。
佐々木浩(人間講座運営委)
人間講座を担当。5月16日に「対話が日本を変える」とのタイトルで人間講座第30夜を開催。お話しする永井玲衣さんは「対話は人間の信頼関係をつくる」「社会の傷ついたものを修復していく」と語っている。運動を最前線で進めている方々など多くの方に参加を呼びかけている。





















