2026年9月1日火曜日

入官庁の際立つ理不尽さ

      入管庁の際立つ理不尽さ 

     日本政府の身勝手な願望


 首都圏移住労働者ユニオン書記長  本多ミヨ子さん

 

入管庁の極めて理不尽なガイドラインについて、移住者労働者ユニオンの本多さんに寄稿していただきました。

 

「日本が急激におかしくなってきた」。外国人支援にかかわる人たちが一様に感じていることである。

昨年の参議院選挙を前にSNSで多くのデマがふりまかれ、さらに今年の衆議院選挙で外国人排外を公約に掲げた政党が多くの議席を占めた。

政府はここぞとばかり「国民の安心・安全のために」として「不法滞在者ゼロプラン」を発表、日本人と結婚した非正規滞在者や難民申請者を多数強制送還した。

この後、出入国在留管理庁(以下入管庁)の外国人に対するガイドラインが大きく変わってきた。最初に出してきたのが在留資格更新料の大幅引き上げである。これまで一律6千円だった更新料を更新期間ごとに分け3か月以下で1万円、5年更新では7万5000円にするという。永住許可に至ってはなんと20万円、家族の場合はその人数分だけ手数料がかかるので、5人家族なら、今まで5万円だった手数料が今年10月以降は100万円かかる(表参照)。

日本人対象なら絶対やらないこんな大幅な引き上げがなぜできるのか。選挙権を持たず反対の声を上げられない外国人だから何をしてもいいと考えているとしか思えない。

さらに深刻なのが外国料理店や雑貨店などを経営している事業主だ。現在500万円の資本金要件を一挙に3000万円に引き上げると公表された。経過期間が3年間あるとはいえ、入管庁が「事業主の9割は500万円ぎりぎりで経営している」と自ら認めている状況の中で、3年後に3000万円の資本金を貯めることができる事業主がどれだけいるのだろうか。資本金不足で在留資格の更新が出来ず、店を閉めざるを得ない事業主が続出することは間違いないと思われる。

まだある。8月4日、入管庁が公表した「永住許可に関するガイドライン」の改定案の内容は、これまでの許可基準のハードルを一気にあげ、永住を抑制するものだった。

現在の法律上の許可要件は①素行が善良であること、②独立の生計を営める資産又は技能を有すること、③その者の永住が日本国の利益に合すると認められることの3点だが、改定案では②の独立生計要件を「年収が日本人世帯の平均を上回ること」としている。2025年の厚生労

働省調査によると、全世帯の平均所得額は約575万円で、現在の独立生計要件の実務上の目安とされる300万円を大きく上回っている。

このガイドラインが公表された直後、日本医療労働組合総連合(医労連)の幹部の方から「介護労働者は平均所得額に満たない人が圧倒的に多く、これが施行されると介護職場で働いている外国人は絶対に永住資格が取れないことになる。安定的に長く日本にいてくれることが日本のためにもなるのに、入管庁は何を考えているのか」と電話が入った。まさに同感である。

他方在留資格「特定技能」や「育成就労」の労働者は増

加させる方針だ。つまりこれら一連の施策は、若い時だけ働いてその後は速やかに帰国してほしい、一部の裕福な外国人しか定住化は許さないとの身勝手な願望をはっきり示している。

少子高齢化が進み人口減少期に入った日本は現に多くの外国人によって支えられている。共生社会をめざす施策こそ必要である時に、真逆の政策を無理に押し通す日本、このままでは、外国人に選ばれない国になっていくことは必然であり、日本社会の衰退もまた必然である。一連の施策は撤回されるべきである。