2023年12月12日火曜日

新春 2024年総会 市民と野党をつなぐ

           新  春  

東京革新懇 32回総会
24127(土)
東京労働会館7・ラパスホール
 JR大塚駅下車徒歩6分、丸ノ内線新大塚駅歩5分 
(開場午後030)
〇記念講演  午後1時~2

  伊波洋一さん 参議院議員(沖縄の風)

「戦場にさせない-沖縄からの『台湾有事』」

   〇総会 午後210分~5

 ※新春のつどい 午後515分~

東京革新懇代表世話人の奥田靖二さんの手品

 他に関係者による演奏など


【地域から政治を変える】

青梅・所沢市長選で自民が推す現職が大差で敗北。立川市長選では市民と野党の共闘候補が自民推薦を破り勝利。自民党政治に対するが批判が高まり、地域から政治を変える動きが広がっています。東京の各地からの報告です。

世田谷区

「市民と野党の共闘」づくり課題に、「市民と野党をつなぐ会」推進役

 市民連合めぐろ・せたがや共同代表  鈴木国夫

1、世田谷の市民運動の特徴は、仲良く全部繋がっていることである。「戦争させない!9条こわすな!世田谷連絡会」として連携しており、年2回の世田谷区民集会・ピースパレードを行っている。ガザへの侵攻に対しては、年末に統一宣伝行動を40名程で行った。

2、各種老舗団体がある中で「市民連合 めぐろ・せたがや」は、安保法制以来の新顔であるが、「何でも屋」としてフットワーク軽く動いている。政治を変えるための「市民と野党の共闘」づくりを中心課題としており、地元選出の国会議員や各党に働きかけを継続しているが、その時々の重要課題にも機敏に動いている。20234月の保坂区長の再選にも一定の役割を果たした。また最近は、各種の区議会陳情などで、区議さんとの交流も増えてきた。工事中の世田谷区庁舎の完成が2年近くも遅延するという大問題に対しても、疑念を持たれないよう第3者委員会設置を求める運動をリードし実現できた。

3、本丸は政権を替えることであり、そのための野党共闘である。これは、一つの地域運動で出来ることではないので、めぐせたは、東京の各地域組織を結ぶ連絡会である「市民と野党をつなぐ会@東京」の推進役としての活動を重視している。20238月には、立憲民主党東京都連、日本共産党東京都委員会との意見交換会(写真)を、全都各地の代表的な方々30名の参加で実現できた。また、202312月の市民連合による立憲野党の幹事長クラスへの要請行動(写真の三段目)に参加した市民の四分の一は世田谷メンバーであった。これからも視野は全国、世界に保ちつつ、地域で活動を広げていきたい.

 杉並区

衆院選勝利、岸本区長誕生、区議会を大きく変えた

   杉並革新懇事務局長 内藤利治

■2021年の衆議院選挙で、市民と野党の統一候補吉田はるみ氏を東京8区で当選させることが出来ました。30年間8区で議席を独占していた自民党の石原伸晃氏の比例復活も阻みました。また、投票率も全都で一番高い6103%を獲得しました。

  これは、「戦争法反対」の取り組みをすすめてきた市民団体「NOWAR杉並」が土台となって16年に「自由と平和のために行動する議員と市民の会@杉並」が発足、予定候補と市民が数回にわたり円卓会議を行い、共通政策と統一候補への合意文書が交わされました。残念ながら17年の衆議院選挙では、政党間の調整がつかず分裂選挙に、19年に「政治を変える8区の会」を結成し、活動を再開、候補者の一本化には中央の政党間の紆余屈折がありましたが最終的に吉田はるみ氏に決定したのは、公示のわずか4日前でした。

■衆議院選挙での勝利させた力で、22年の区長選をたたかおうと、「住民思いの区長をつくる会」が発足、市民レベルで女性の候補者捜しをはじめました。6月の区長選では、市民と野党の統一候補岸本さとこ氏が、現職3期務めた田中良氏(自民、公明推薦)を187票の僅差で破り初当選しました。投票率は前回より5%増の37.51%でした。 杉並では全く知名度のない候補者でしたが、市民選対を中心に選挙戦を展開。住民との対話を重視した区政を変える連続タウンミーティングを開催。ボランティアがプラスターをもって駅前に立つ「ひとり街宣」を、最終日には3万枚のチラシを一気にまくなど、市民がよく自分ごとの選挙として取り組みました。道路拡張、児童館廃止など住民の意見を聞かない区政に対する市民の怒り、反発が結集した結果です。

23年の杉並区議会議員選挙では、岸本聡子新区政を前進させるためにと、区長に賛同する候補者を一人でも多く当選させるため、投票率アップ作戦をさまざまな市民グループが展開しました。区内各駅での「選挙に行こう」ひとり街宣、告示前は区長自ら1週間夕方ひとり街宣。宣伝カーの運行、選挙割りなど多様な市民グループが取り組みました。また、新区長に賛同する候補者が党派を超え共同街宣も実施。結果、投票率が前回より4%以上アップし、自民現職7名、公明1名が落選、女性議員が前回15名から24名に、議会の過半数を占めました。新人も15名当選。区議会の景色が変わりました。政党・複数会派が8,一人会派が10の計18会派で構成。杉並の多様性、さまざまな市民運動が反映された議会構成になったといえます。

 岸本区政が誕生して1年半、さまざまな変化が生まれています。学校給食費の無償化、補聴器の購入費助成、パートナーシップ制度創設、区内中小企業への物価高騰対策支援、前区長が実施していた児童館、ゆうゆう館等の廃止計画見直し、施設のあり方を住民との対話で検討するなど、住民参加の予算など確実に区政は変わりました。自分たちの手で確実に政治を変えてきたという実感が広がっています。

  こうした到達点を築いてきた一つの要因は、3.11後の「原発NO!」の運動の中で若者を含めた新たな市民運動の広がりがあり、それが「戦争法反対」の運動(NOWAR杉並)へとつながり、また、都知事選挙や区長選挙での統一候補勝利に向けて共同の選挙を何回もたたかう経験を積み上げてきた結果です。そして、何よりも、15年以降の市民と野党の共闘の全国的な運動の中で、杉並なりに市民が軸になりながら、野党との共同を粘り強く広げ積み重ねてきたことにあります。

 今後は、私たちが手にした「住民自治杉並」をめざし、後援会組織である「ソシアルサトコズ」を軸に議会傍聴、街宣、学習会などを継続するとともに、区政問題での対話集会、参加型予算に区民が積極的に参画していくことが求められています。


中野区

 市民運動に新たな希望を持ちながら  

      中野区革新懇事務局長 江田 徹

 2015年、安保法制強行採決の危機感が高まるなか、憲法が壊される危機感を感じた人たちが、従来のいきさつを乗越えて共同しなければダメだと思った。そのためには日本国憲法を守り、平和と人権を大事にする個人も団体も一つになって協力し合うことが必要だと感じた。その思いは一部の人だけでなく、平和を求める人々の共通の願いでもあったのです。


同年7月、可能なかぎりの団体に呼びかけて、市民運動を大同団結させるための相談会が開かれ、「戦争反対! 憲法を守れ!」の共通した願いで共同し、区民にアピールすることで協力しあうことになりました。

その結果、「中野アピール実行委員会」(正式名称「安保法制《戦争法》を許さない中野アピール実行委員会」が結成され、毎週火曜日午後6時から中野駅頭で宣伝行動を開始しました。(強行採決後は「許さない」を「廃止をめざす」に変更)。翌年からは、第2週と4週に縮小しましたが、現在も継続して行なっています。

国会情勢に応じて、各政党の国会議員や都議・区議、学者・弁護士などにも参加を呼びかけて、街頭集会を行なってきました。

昨年、中野区は「憲法擁護・非核都市宣言」四十周年を迎えました。四十周年を記念して、3回のパレードを繰り返し、ロシアのウクライナ侵略に抗議し、即時停戦を求める訴えも行なってきました。

駅頭行動では、GAZAへの攻撃に抗議する集会を行い、平和へのアピールを繰り返してきました。

この活動を通じて団体の垣根が低くなり、それぞれの活動が見えるようになり、共闘が容易になりました。その結果、各種選挙でも共同し、共闘の効果で、勝利できるようになりました。

衆院選挙では選挙区名を付けた愛称(東京7区《渋谷・中野》―しぶなか市民連、今回は東京27区に変更になったので―にいなな!)で活動し、立憲の候補者・長妻昭氏の勝利に貢献しています。

2018年の区長選挙では「区民の声・中野」を結成し、野党統一候補として酒井直人氏を擁立しました。その結果、5選を目指した自公推薦の現職に勝利し、2022年に再選を果たしました。

都議選でも野党共闘と投票率アップ作戦に取り組み、定数削減の下で立憲の西沢けいた都議の当選を果たしました。

区議選では、「誰が何に反対したの?」というリーフを作成。区長の提案した議案や区民の陳情に反対した政党と議員名を一覧表にして駅頭や各戸配布をした。自分が投票した議員が区民要求に反対していることを知りビックリする人、一覧表を大事にバックに入れて持ち替える人がいて、効果の大きさを実感しました。

結果は自民党の現職3人と生活保護バッシングの現職を落選させました。議席増を目指した日本共産党の現職が共倒れになるという事態もありましたが、全体として区長を支える勢力が前進しています。

今年、自民党、公明党の議員が「学校給食を無償化せよ」と本会議で主張するなど、区民の要求との関係で議会に変化が生じていることを強く感じます。区民の声を聞きとり、それを区政に生かすことは民主主義の基本であり、それができるようになることが地方自治の基本だと思います。

この間の選挙を通じて、

○共闘すれば勝てる!

○政治の実態を伝えれば世論は変化する。ことを学びました。そして、行政も議会も

○区民に誠実であること。が大事なことだと思います。

 あわせて、1人ひとりの声を大事にすることが、組織を元気にすることも学ばされました。貴重な経験でした。

政治を変える闘いは、私たちの命と暮らしを守る闘いに直結していることが、だれの目に見えるようになっています。政治を変えることの重要さがだれにもわかるようになっています。    

 中野区革新懇は、「中野アピール」や「区民の声・中野」、「市民連合」などの運動の中で、事務局の一員として努力を重ねてきました。その経験を重ねることで、共同し、共闘することの大事さを自らのものとしてきました。他の団体や個人と共同することで、互いの信頼が深まり、学びあうことができました。それらは何事にも代えがたい貴重な経験であり、今後に生きる財産です。


立川市 

 立川の市長選挙と都議補選での勝利

      立川革新懇事務局長 糸永辰文

2023年行われた9月の立川市長選挙と10月の都議会議員補欠選挙定数2での勝利は、14年頃からの市民運動が継続的に展開してきたことがベースです。安倍政権が、集団的自衛権行使は憲法に違反しないと砂川闘争の最高裁判決を引用した戦争法への激しい怒りは全国民的な運動に高まり、国会に大勢が詰めかけました。採決当日は国会の外では徹夜で憲法守れ! 野党はがんばれ! 戦争NO!と国会内と外で連帯して頑張りました。しかし、15919日未明に強行採決された。志位委員長は「安保法制立」を廃止するために野党の選挙協力で政権交代して立憲主義を取り戻そうと訴えました。

立川では15年に市民会館大ホールで「砂川闘争60周年のつどい」を開催。その後17530日に「立川市民連合」を165人の呼びかけ人で結成。

立川での結成に向けて砂川闘争にかかわりの深い幅広い平和を求める個人と超党派(共産・社民・ネット・緑)で準備をしてきました。その後立憲民主が加わりました。

国政選挙1人区での市民と野党の共同は17年衆院選21区(社民 小糸健介氏)、19年立川市長選(無所属 酒井大史氏)257票で惜敗、20年都知事選挙(無所属 宇都宮健二氏)惜敗、21年都議会議員2人区(立憲 酒井大史氏)勝利、21年衆議院選21区(立憲 大河原まさ子)比例復活当選、239月立川市長選(無所属 酒井大史氏)当選、2310月都議会補欠選挙定数2(立憲 鈴木烈氏)当選しました。17年の衆院21区での闘いでは、立川市民連合としての政策作りと候補者決定はできませんでしたが、その後の国政選挙では政策フォーラムを超党派で繰り返して、最終的には一致できる政策と候補者の一本化が実現しました。市民に見える立川駅北口での超党派議員と市民などが発言するリレートークを17回重ねてきました。市長選挙でも候補者ありきではなく、政策優先で市民連合に参加する議員と市民で政策を作り上げて候補者へ要請しました。こうして協定・回答を受けて超党派の共同が実現するように努力してきました。

都議補選では、積み上げた政策に今日的課題PFAS汚染や立川駐屯地オスプレイ飛来・訓練反対、学校給食費無償化、補聴器購入補助、GLP昭島巨大物流センター開発問題、非正規労働者の正規化などを追加。立川では無名の鈴木烈候補者も政策作りに加わり、一致点を大事にしてスピーディーに進め短期間で市民に知らせる政策全戸ビラ・駅頭配布、立川駅北口デッキでのリレートークなどの見える取り組みができたのが勝利を引き寄せたと思います。

 立川革新懇は市民連合の活動を発展させるために努力する方針のもと、立川革新懇から市民連合の事務局へ4人が参加しています。立川市民連合は事務局6人で砂川闘争の当事者「伊達判決を生かす会」の島田さん、砂川闘争を先頭で闘った父をもつ自治労東京で三多摩平和運動センターの中心的な石野さんなども一緒に取り組んでいます。

立川市民連合には立憲野党所属の個人が設立当初から一緒なのでこれを大切にしながら運営しています。

来年は都知事選挙があり大きくまとまることを大事にしたいと思います。また衆議院小選挙区選挙は21区の区割りが立川市・日野市・八王子の一部になりましたので、その対応に追われたりしていますが「市民と野党の共同」の強化なしには政権交代と立憲主義の回復は実現しません。24年は大事な年になります。共同の輪を広げましょう。


青梅市 

72年に渡る自民市政転換、現職大差で破る

挙で変えよう市民連合おうめ代表 加藤弘吉

青梅市は、市発足以来72年渡り自民党系市長であり「継承と改革」を上げる現職と、「今、青梅が変わる時」を上げる新人の対決で、若い市長を選ぶという化学変化が起きたと捉えています。その要因として、人口減少で特に小学生が全市で1200人から半減し、不登校児童が激増し、逆に65歳以上の高齢者が多くなり将来の青梅市への不安が市民の中で高まり、投票意識行動に変化が起きて投票率も3%アップし9千票の大差がつきました。また、国政の自公政権の利権腐敗政治に嫌気がして、既存の政党では青梅は変えられないとの主権者の意識が芽生えたことだと思います。

一方、市民連合おうめとしての活動の一端を紹介します。2019年の前回市長選同様に市民と共闘できる候補者擁立を目指すも擁立できず、立候補を表明または検討している現職、新人を含む3人に公開質問状を出して、その回答を公開しました。その上で、市民連合おうめとしての政策要請6項目を決定して、独自チラシ(1万5千枚)を作成し、新聞折込、ポスティングを公示前に街宣活動を実施しました、同時に大勢待利明候補への自主応援の声明を西多摩の地元2紙へ掲載しました。そして、選挙期間中はチラシ配布、電話かけや投票へ行こう呼びかけも街宣、SNSでも実施しました。

苦労した点は、候補者は無所属でしたが都民ファーストの会と国民民主党が推薦を出したことで、会員の中で警戒感が渦巻き、大勢待候補と公示前に2回、当選後1回の意見交換会を実施して、今後も市民連合と意見交換会などを実施するなどを表明されたことで、今後も応援した立場として市議会傍聴などで市政監視を含めて市政への参加することを呼び掛けています。

 最後に25区として9市町村中5市町村で化学変化が起きているので、来年予定されている昭島市長選、都知事選、衆議院選へ繋がるように努力したい。


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