2021年3月2日火曜日

菱山南帆子さん講演 東京革新懇総会

 政権交代の絶好のチャンス、若者へのバトンタッチ

 許すな!憲法改悪市民連絡会事務局次長 菱山南帆子 

130日に開催された東京革新懇第29回総会での菱山南帆子さんの記念講演の要旨をご紹介します。 

一国のリーダーが悪いかいいかで、こんなにも命が助かったり、助からなかったりするのかを、感じたことはなかったです。総選挙は、市民と野党の力で政権交代する絶好のチャンス。さらに、政権維持のために、私たち市民の力が重要で、どうしたらいいのかということと、私なりの若者像があり、これからの時代を生きていく若者に、どうバトンタッチしていくか、一緒に考えていきたいと思います。 

科学的知見に背を向けた感染対策

コロナの中の緊急事態宣言下で、今日の総会を開くことは、私は素晴らしいと思いますし、工夫しながらやらなければなりません。向こうが民主主義破壊を自粛しないわけですから、私たちも声をあげることを自粛できません。いまの感染状況は、科学的知見に基づいた意見や警告を無視し続けた結果です。爆発的感染を引き起こした張本人である菅さんが、罰則を考えるなんてどうかしているとしか思えない。GOTOキャンペーンをやらなかったら、どんなに助かった命があったかしれない。

菅さんの話しは全く心に響かない。ニュージーランドの若い女性の首相は、毎日国民に向けて会見しています。その言葉が国民全体に届いて、無理なく押さえられています。 

菅首相は、自分の言葉で話すどころか、公助を受けている状態。おまけにASEANをアルゼンチンなど言い間違いのオンパレード。利権で動いていて、私たちの未来、生きられたかもしれない人たちの命を左右する権力を握っていると思うと、本当に変えなければと思います。

122日に、核兵器禁止条約が発効して嬉しく思っています。あきらめずに声を上げ続けたから発効までにこぎつけました。私たちもあきらめずに声を上げ続けることが、大事です。アメリカのバイデンさんが大統領になり、大きく転換した。世の中が変わるときは、がらっと変わる。私たちは遠慮せずにしっかりと思い描いた未来を提示することが社会を変えることにつながると思いました。

 憲法をめぐる攻防

 憲法についてですが、安倍さんの突然の辞任によって安倍政権下での改憲は完全に消えました。8年間も共闘の力でたたかってきたたまものです。

今国会の憲法審査会で改憲手続法を変えてくるかもしれない。国民民主党は、賛成に回ると言っています。立憲民主党も、議論には応じるということを言っています。

この法律の欠陥は、CMがやりたい放題。CMはどれだけ高いかということですが、電通の1年間の売り上げが51000億円。博報堂12000億円、フジテレビ6400億円、朝日新聞4700億円。電通はものすごいお金、力を持っているので、私たちが幾らお金を払ったって、いいところにCMなんか入れてくれない。こんな法律だということを訴えていかなければなりません。

憲法を変えることに、あらゆるチャンスをうかがってやってきます。コロナになって、緊急事態だから憲法を変えないとコロナ対策はできないと言った。稲田朋美さんは、憲法第24条に男女平等が入っていないから改憲すると言っています。コロナで、自衛隊が医療現場へ入って、ありがとう自衛隊の大キャンペーンになっています。 

陰湿な菅首相

菅さんは、陰湿でとんでもない政権と言われています。彼は野党時代に民主党に対して「記録を残すのは政治家として当然だ」と著書に書いた。自分が首相になったらここを消して改訂版を出した。

これも陰湿なエピソードですが、菅さんが横浜市議時代に、役所の人事案を入手し、一人の職員に電話をして「決まったら頑張れよ」と嘘ついた。自分が言ったからあなたは昇格したんですよと。

こうやって彼は上に昇っていった。小手先の処世術と、自分がないからしゃべれない。上に昇ることしか考えていない人間だと思います。

菅首相の横にいるのが杉田副官房長官。彼は内閣調査室のトップです。恐ろしいことです。菅さんになってから、街頭宣伝だとかいろんなところへ私服の警察が堂々と来るようになった。私の地元の八王子でも、公安に送っていると公言して、望遠レンズで撮っている。脅しに屈しない横の連帯と、安心して活動に参加できるような雰囲気を作っていかなければなりません。

 私たちが歴史をつくってきた

私たちがどれだけ頑張ってきたか振り返ります。2013年「秘密保護法」、201471日に集団的自衛権の閣議決定。市民は年に1回の憲法集会で「共産、社民、市民」の形でやっていましたが、連合左派とは一緒にできていなかった。この閣議決定が行われるとき、官邸前に、全教と日教組、自治労連と自治労の旗が並んだ。 

これがきっかけとなり、2014年末に総がかり行動実行委員会が結成されました。 

2015年、憲法集会が初めての共同行動となりました。長妻さんが来られて、志位さんが手を差し伸べたら、長妻さんは手を握ろうとしなかった。

戦争法のとき、共同のたたかいで毎日国会前へ行こうということで、国会前で野党が顔を合わせるわけです。市民が野党をつないだ形になって野党共闘、野党頑張れとの声が上がるようになった。830日、12万人が国会前に集まったとき、初めて全員が手をつないでワァっとやった。野党共闘ができて6年、歴史を作ってきたとつくづく思います。

その年に市民連合が結成。2016年初めての野党統一の参議院選があり、2017年に衆院選。小池希望の党が出てきて、築き上げてきたのにもう終わりかとなったのですが、私たちは共闘の原則を踏み外さないで頑張ろうとやったところに、立憲民主党ができた。

2019年参院選で、改憲に必要な3分の2の議席を割りこませ、安倍政権下の改憲は絶望的になりました。2000万署名、3000万署名、いろんな運動をやった。本当に大変な思いをしながらたたかってきた。 

コロナ禍で増す女性の負荷

緊急事態宣言が出て、私たちの生活というのは一変。政府のコロナの対応のせいで女性の自死が増えていると思っています。新しい生活様式という言葉が出ました。私は大政翼賛会を思い出しました。大政翼賛会の中にも、家庭生活新体制という言葉が出てきます。女は少ないお米で腹いっぱいになるようなご飯を作れ。女性が生活を変えることによって政治参加せよと。

今はまさに、女性が生活をコロナ仕様に変えなきゃならない。すごく負担になっていると思います。女性は社会のサポート的な存在でパートで働いている。雇用が不安定になって社会から追い出されてしまう。だから家の中に閉じこもってしまう。普段家にいない夫が帰り、それだけでもストレスがたまり、逃げ場がなくなってきている。女性の性差別とかに取り組んでこなかった政府に原因があると思います。男女平等は自民党では絶対に出来ない。私たちがやらなくてはいけない。

年末年始、新宿のコロナ相談村に行きました。女性が本当に多く、びっくりしました。女性が、何軒も何軒も相談村を訪れて、家族の分の食料を集めている。八王子に住む女性が、一番安い京王線で新宿まで行って助けを求めに来た。私につながって、弁護士、市議など5人体制で生活保護申請に行きましたが、根掘り葉掘り聞くのです。かかった時間およそ3時間。これが現状です。

台東区での生活保護申請では、悪名高き職員が、最後に「これやっときゃいいんだろう」と言って、お金が入った封筒を投げつけたとか、ひどいことをやっています。弱者に厳しい日本の社会を変えていかなければなりません。 

自己責任時代に生まれた若者

私は自己責任時代に生まれた若者です。1989年に労働組合が分かれて、人々の横のつながりが分断され、一人の粒になっていく。オタク文化といわれ、自分たちさえ良ければいい。いわゆる自己中心主義に変わっていく。昔は共産主義か、資本主義か、理念形成が若者にありましたが、1991年にソ連が崩壊し、いろんな部分が変わっていった。資本主義にいろいろ限界がきて、自己責任が出てくる。未来をどう形成するかというのが枯渇して、今の自分達さえよければいいとなってきた。ものを買う消費行動を通して自分を満足させる。そういうことで怒りというものはかすめ取られていくわけです。

さらに、2000年代はデジタル化時代が進んで、携帯電話にスマホ、これで個別の分断が進みます。携帯がなかったら生きていけないわけです。以前公衆電話しかなくてどうやって待ち合わせしたのか不思議と思いますけど、そういう時代から、もう当たり前に何時何分の電車に乗る、明日何時までに行く、全部あるわけですね。いろんな意見も全部スマホを見る。だから、新聞なんか見ないわけです。

ネットのニュースには、新聞みたいに、今これが重要との見出しがありません。彼らにとって命みたいな携帯には芸能人のゴシップ、これが今一番大変なことなんだという、バラバラになっていく。彼らの命みたいな携帯、本当にこれ命の携帯なんですね。9人殺害のあの事件、顔の見えない相手に心を打ち明けられるのに、隣の人に打ち明けられない。人間同士のつながりが分断された結果です。

私たちが受皿にならなければいけない。「あなたはひとりじゃない、あなたのせいじゃない、一緒に生きよう、命と暮らしを守る政治に変えよう」。心に響く言葉を伝えていかなければと思います。

一つの成功例はフラワーデモです。「私こんな苦しい思いしたの。分かるよ。私あなたの言葉を信じる、私もだよ」。やさしい連帯を学んで寄り添う。それぞれが実践していかなければと思います。

 私たちが楽しい生き方を

私は、めちゃくちゃ忙しい生活を送っていました。コロナになって時間ができ、「たくさん本が読めるんだ。こんなに空を見て歩けるんだ」と思ったとき、だれも真似できないような運動をやってはいけないなと思いました。

楽しく、明るくイメージでき、参加したいと思える運動をしていく必要があると思います。例えば、沖縄の玉城デニーさん、若い子たちは、デニーさんに未来を見て投票したんですね。私たちも、具体的な未来像を提示することはとても大事です。若い子がいないとみなさん嘆かれますが、私たちが楽しい生き方をしていれば絶対ついてきます。一人一人が生かされる世の中をつくるということが分かるようにしていかなきゃいけない。

ぜひSNS

SMSをやってない方は、ぜひやってみてください。韓国のロウソク革命が起こった時、若い人たちはスマホを片手に歩きながら親指でやっている。少し高齢の人たちは両手で人差し指でやっている。親指対人差し指のどちらの発信が多かったか調べたら、人差し指が勝ったんですね。高齢の方が引っぱって、それに若者がついて行った。

 今年1年が勝負

菅さんの支持率が続落しています。でも、野党の支持率も減っています。ある意味チャンスです。自民党の岩盤なんて無いにひとしいということが分かりました。私たちはこれをどう取り込むが重要です。今回も小池さんは何をするか分からない。どんなことがあっても、野党共闘はわれわれにとっては原則なんだということで頑張っていきたい。自民党の補完勢力に屈しない。政権の自民党内たらい回しを繰り返えさせない。必ず野党と市民の共闘で政権交代したいと思っています。

最後に、翁長さんは、政治に必要なのは、情熱、信念、行動だと言っています。情熱をかける、それによってどんどんどんどん膨れあがっていく。だけど、マイナスの信念だったら、見てください希望の党、間違った信念だったからなくなりました。私たちが前進できているのは、プラスの信念だということです。私たちの信念は絶対にぶれることなく、情熱を、行動にかけるということで。皆さん今年1年が勝負です。コロナに負けることなく生き延びて、政権交代をこの目でしっかりと見届けて、持続可能ないい社会にしていきたいと思います。みなさん頑張りましょう。

                  

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