原水爆禁止東京協議会事務局長 吉田 孝喜
20年は被爆75年を迎える年に
第二次世界大戦末期の二度の原爆投下と東西冷戦下の水爆実験の被爆から、核兵器禁止の声と要求が高まり、核兵器廃絶を求める署名行動が始まり、一九五五年には原水爆禁止世界大会が開催されました。以後幾多の試練を得ながら二〇一九年八月の世界大会まで六五回を数えました。
来年二〇二〇年は被爆七五年を迎え節目の年に当たります。そしてNPT再検討会議がNY(ニューヨーク)で開催され核兵器禁止と核廃絶が本格的に話し合われる年に当たります。
2019年世界大会は核兵器禁止上条約成立へ後押し
2017年7月7日、国連総会で「核兵器禁止条約」が122カ国の賛成で採択され、現在(8月20日)批准国は25カ国となっています。条約発行((50カ国の批准)まで折り返し点を過ぎました。
一刻も早い条約発行に向けて国内外で大きな運動が必要です。
こうした状況の下、原水爆禁止2019年世界大会が開催されました。大会は「被爆75年に向けて核固執勢力を突き動かす世論と世界を各国で作ろう」(国際会議宣言)と呼びかけられ、核兵器禁止条約の早期発効を願う日本中の人々と海外代表が5000人集まり、長崎をメイン会場に行われました。
ニューヨーク世界大会とNPT再検討会議
大会は最終日に、「長崎からのよびかけ」と特別決議「長崎からすべての国の政府への手紙」を採択して終了しました。
『呼びかけ』では「核兵器禁止条約」成立への後押しのため、①2020年原水爆禁止世界大会inNY(ニューヨーク)開催とNPT再検討会議など国際共同行動への参加、②2020年までに世界で数億の「ヒバクシャ国際署名」の署名運動を、自治体・地域ぐるみで発展させよう。と呼びかけられました。
『手紙』では「すべての国の政府が人類を各破局から救うために4つの行動「①核軍縮に逆行する行動の停止②NPT第6条の交渉義務を果たすこと③反核兵器啓蒙活動をすすめること④核兵器禁止条約への署名と批准をすみやかに行うこと」を提起しました。
世界大会参加で運動の規模の大きさに感動
原水爆禁止世界大会には東京都内の四七の地域原水協、四七の労働組合、団体から毎年多くの代表が参加しました。
「核兵器は人類と共存できない。人間が作ったものは人間が壊すことが出来る。いま世界の大半の国が『核兵器廃絶』の方向に向かって進んでいることが確認できた大会でした。」 との大会参加者感想に見られるように、今回の大会が核兵器禁止条約を推し進めるとともに、世界的規模での運動を見据えた大会であることが確認されました。
署名目標の早期達成とすべての自治体首長の署名を
ヒバクシャ国際署名の取り組みも目標一〇〇万筆に対して六二万筆を超えたところです。町内会や老人会などあらゆるつてをいかして早期の目標達成と、現在23筆の区市町村自治体首長(8区15市)の「ヒバクシャ国際署名」の取り組みを強め、都知事をはじめ都内のすべての自治体首長の署名を達成しましょう。
さらなる運動の発展を
さらに二〇一九年世界大会への東京からの参加者は、初めて600人を割り込み、ここ一〇年間で最低の水準となりました。
二〇二〇年世界大会(NY・広島長崎)に向けた取り組みを早期に行い、これまでの運動のあり方や教訓を明らかにし、運動のさらなる発展をはかりたいと思います。
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