2010年11月12日金曜日

東京革新懇30周年プレ企画「講演と音楽のつどい」 三上満代表世話人の開会挨拶


みなさん、こんばんは、ようこそ東京革新懇30周年プレ企画「講演と音楽のつどい」にお集まりくださいました。
この後、イラクの子どもたちに「ナオコ」と呼ばれて慕われ、戦火をくぐってこられた高遠菜穂子さんの映像とお話『命に国境はない』、そして池辺晋一郎さんの心温まるトークと合唱をお贈りするわけです。この合唱には、「あの池辺さんの指揮で歌えるなら」と、都内各地から160名に及ぶ方々が、自発的に駆けつけてこられ、6回に及ぶ練習を積み重ねて今日を迎えています。本日の「つどい」を、平和で明るい明日を拓こうとする私たちみんなの糧にしていきたいと心から願うものです。

さて皆さん、「平和・民主・革新の日本をめざす革新懇」は、全国でも、この東京でも、今から30年前1981年に結成されました。財界・自民党などの支配層によって革新勢力が分断され、社会党が政治革新の共同から脱けていったのが1980年でした。その中で、日本共産党の提唱で革新を願う人々・政党・団体が、政党政派の違いをこえて共同して、政治を変えようと結成されたのが革新懇です。その共同の目標として掲げられたのが「革新三目標」です。

1、経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本。
2、憲法が輝き、自由と人権、民主主義が発展する日本。
3、日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本。

 あらためてこの「3目標」を読み直してみると、それがいかに日本を変える確かな座標軸であり、「これしかない」と言えるような心躍る目標であるかがわかります。それは、私たちにとって魅力的であるからこそ、支配層にとっては許し難いものでした。だからこそ、この30年間、さまざまな手段でその成長を抑えようとしてきたのです。政治革新、革新懇の運動にとってこの30年間は、決して平坦でない、時には逆風をついて進んできた30年間でした。その中でも私たちは都民とともに共同を広げて頑張ってきました。

 とりわけこの10数年は、あくない利潤追求に走る大企業・財界と、日本を、世界を支配する足場・パートナーにしようとするアメリカの思惑とが、政治に深く食い入り、日本の社会を深いところから歪め、国民に苦難を強いてきた10数年でした。
大資本・財界など強きものの横暴を抑えて、みんなが人間らしく生きられるようにするために、ルールを作り守らせ格差を縮め貧困をなくす。そのためにこそあるのが、政治です。
ところがこの十数年は全く逆で、政治が強きものが気ままに振る舞えるように、次々と規制を取り払う役目を担ってきたのです。それが“新自由主義”というものの正体でした。そのあまりのひどさに怒った主権者国民はついに、昨年9月政権交代を実現させました。ところが国民の期待を受けた民主党政権も、普天間基地の辺野古移設をはじめ、アメリカと財界という二つのシガラミから抜け出せず、次第に元の自民党政治に逆戻りしてきました。
特に菅政権は、自民党政権をこえる反国民的な三つの大きな目標を掲げるに至っています。
一つは、法人税減税をはじめとする大企業寄りの政治をいっそう進めることです。二つ目は、日米同盟深化の名で、沖縄のいっそうの基地化、海外派兵の日常化、武器輸出3原則の見直しなどをすすめ日本を“戦争できる国”にすることです。もう一つは、自分たちにとっての“邪魔者”すなわち革新勢力を排除するために比例定数の削減、二大政党制の強化を進めることです。

いまの政治の根本の構図は、われわれの掲げる「革新の三目標」にぴったり噛み合って、彼らが反「革新の三目標」を掲げて挑んできているということです。これがどんなに国民を苦しめ、アジアの平和をおびいやかすものであるかは全く明らかです。尖閣諸島の問題をめぐっての“反中国キャンペーン”も、安保条約、抑止力としての沖縄基地の正当化に巧みに利用されています。

いま国民の中にある“政治を変えたい”という願いは切実です。その願いが、自民も民主もダメの声になり、参議選の結果を生みました。しかし、“政治を根元から変えたい”という命がけの願いにもかかわらず、その方向が、国民的規模ではまだ見えておらず、その願いがまだ“漂流状態”にあるというのが現状ではないでしょうか。
国民が願っているのが、「革新三目標」の日本であることは明確なのに、それはまだ、政治を革新する大きな力になっているとは言えません。だからこそ、“いまこそ革新懇の出番”と言えるのではないでしょうか。今日のつどいをエネルギーに、首都東京での革新懇運動を大きく多彩に、都民の目に見えるものにしていこうではありませんか。

いまの政治の焦点である沖縄で、「革新三目標」につながる立場で、伊波洋一さん(予定候補)が立ち、平和な日本への変革の先頭に立っておられることは心強いことです。沖縄の熱い思いと心をつなげて、私たちも頑張っていこうではありませんか。
そのためには、まず革新懇の組織と運動の幅を広げることです。お手元の資料の中に、革新懇ニュース(全国・東京)の申し込み用紙と、加入申し込み書が同封してあります。ぜひ読者また会員になっていただくよう心よりお願いします。
いまからちょうど100年前の1910年秋、大逆事件がおこり、社会主義など民衆の自由を求める運動が抑圧され、「時代閉塞」といわれる状況の中で、未来を眼をこらして見据えようとした一人の歌人がいました。石川啄木です。啄木は「創作」という雑誌の10月号に

         時代閉塞の現状をいかにせむ
秋に入りて ことにかく思うかな

という歌を詠みました。眼をこらしても「時代閉塞」の闇を破る光がなかなか見えなかった啄木の時代とは違って、今は「革新三目標」というヘッドライトで行く手を照らして進むことができる時代です。政治を変えたい、切実に願う国民・都民の中に分け入って、この「三目標」での合意・共同を進めていきましょう。
今日の「つどい」が、そのための力になることを期待して、開会の挨拶と致します。有り難うございました。

0 件のコメント:

コメントを投稿