東京、62区市町村首長選中39で共同候補擁立
全国に誇る市民と野党の共闘を確信に
今年の東京の統一地方選における首長選挙は、19の自治体でたたかわれ、13自治体(台東区、墨田区、江東区、大田区、世田谷区、渋谷区、豊島区、北区、足立区、東村山市、東大和市、稲城市、檜原村)で市民と野党の共同候補が擁立されました。
各地域の市民連合等が、政党とも協議しながら擁立を図り、何人かの候補者は地域の市民運動を担った人達です。1月に立憲民主党都本部と共産党都委員会の協議で、統一地方選挙で共闘して行こうとの確認がされたことも後押ししました。
当選は、世田谷区長選挙で、維新が実質擁立した29歳のキャリア官僚を自公が支援し本気で奪還を目指しましたが、保坂展人区長が4選。檜原村の産業廃棄物焼却施設反対運動から擁立された吉本こうじさんが、5期20年の現職村長を打ち破って当選の2人です。市民と野党の共闘への国民・都民の期待が広がれば、首長選挙でも勝利の大きなうねりに発展していくことは間違いありません。
今回の13自治体での共同を加えると、東京62区市町村の中で、2017年以降で共同候補の擁立は39自治体、約3分の2に広がっています。
東京では、市民と野党の共闘が以下のように、戦争法反対の共同をベースに、総選挙、都知事選、都議選、首長選挙と前進を続けてきました。
立憲民主党の泉健太代表が「共産党とは共闘しない」と述べるなど、市民と野党の共闘に困難も生まれていますが、東京の実践は、この道こそが国民本位に政治を変える大道であることを事実で示しています。このことに確信を持ち、全国に影響を与える首都東京での奮闘が求められています。
戦争法反対での思想信条を超えた東京の共同
2014年秋に総がかり行動実行委員会が結成されたことにより、「共産党をのぞく」政治体制による分断が乗り越えられ、急速に思想信条・党派を超えた共同が広がりました。
東京では、2015年3月段階では、思想信条を超えた共同は11地域にとどまっていました。2016年には、各地域の市民の奮闘があり、23区と三多摩26市のすべてと町村・島嶼の一部に思想信条・党派を超えた共同が広がりました。この共同の広がりが、その後の市民連合の結成や国政選挙、都知事選挙、都議選、自治体首長選挙の土台となりました。
2017年総選挙に向けた市民連合の結成と前進
2015年12月結成の「市民連合」を受け、東京においても、25小選挙区中23小選挙区、自治体地域では31地域に市民連合が結成されました。
東京では、2017年総選挙では16小選挙区で立憲野党候補が一本化し、自民党は3議席減らし、立憲民主党は4議席を獲得。市民と野党の共闘が本格的に取り組まれ、当選に貢献、いくつかの選挙区で接戦まで押し上げました。東京の小選挙区で自公の候補が過半数の票を獲得したのは6選挙区だけであり、取り組みの発展があれば、東京で自公を少数に追い込むことは十分可能であることを示しました。
2020年都知事選挙
宇都宮けんじ候補の実質的な擁立の場となった2020年6月3日の「呼びかけ人会議」から投票日まで1ヶ月。コロナ感染のもとで、各地域で急速に都知事選をたたかう共闘体制がつくられました。東京小選挙区25区すべてに立憲民主党と共産党を中心に政党間の選対が結成され、市民の積極的参加のもとに18区に市民と野党の共闘体制がつくられました。残り7区では、多くの自治体地域で市民と野党の共闘体制がつくられました。立憲民主党、共産党、社民党、新社会党、緑の党の党首をはじめとした幹部が連日共同の街頭演説を行い、国民民主党の幹部、「社会保障を立て直す国民会議」の幹部、無所属の国会議員の参加もありました。政党が力を合わせ気持ちよい共闘を作りあげたのも特徴です。
2021年都議選における共同
都議選は、全国的に見ても歴史上はじめて地方議会選挙における市民と野党の共闘が本格的に広がり、立憲民主党、共産党、社民党、新社会党、生活者ネット、緑の党の6党会派の共闘体制が確立、現在も継続しています。共産党が改選から1プラスしての19議席、立憲民主党は8議席から15議席、生活者ネット1議席、緑の党1議席で立憲野党がプラス9議席の計36議席、33議席の自民を上回る勢力になり臨時議会の招集権を手にしました。候補者を1本化した22選挙区中13選挙区で当選、9選挙区でトップ当選しています。
連合東京は、「共産党に与しないこと」「違反行為がある場合には推薦等の支援を取り消す」とし、立憲民主党に対して、共産党との選挙協力をやめるよう様々に干渉。それを実質的に押し返し、連合東京が組織内候補として推薦した国民民主党の4候補はすべて落選。
候補者の一本化は1人区で6選挙区、2人区で12選挙区、3人区で4選挙区の合計22選挙区に達し、1人区で0→2、2人区で2→7、3人区で2→3と当選を広げています。
候補者の調整・一本化のもとで、各地域で市民連合等が、市民と野党の共同候補として、推薦・支持を決め、市民が選挙における重要な役割を発揮しました。
2021年総選挙における前進
東京では18選挙区で立憲野党が一本化し、自民党16議席、公明党1議席、立憲民主党は4議席から8議席に倍増、立憲民主党と共産党は比例を合わせて12議席から16議席に前進しました。惜敗率88%以上は、23区、10区、1区、21区の4選挙区。立憲野党が並立立候補となった選挙区では、立憲野党候補の合計票は、16区と22区で当選した自民党候補を上回り、11区5526票差、13区6800票差、2区14372票差に迫りました。全国で立憲野党が後退する中、東京では貴重な前進を切り開きました。
自治体首長選挙における共同
首長選挙では、この間の各地域での思想信条・党派を超えて共同した人々・諸団体が自治体政治も変えようと力を合わせました。
市民と野党のた共同でたたかわれた首長選挙
2017年 小平市(当選)、日野市、武蔵野市(当選)、東久留米市(2000票の僅差で落選)、国分寺市
2018年 多摩市(当選)、町田市、中野区(当選)、杉並区、狛江市、品川区、新宿区
2019年 世田谷区(当選)、大田区、板橋区、中央区、豊島区、北区、清瀬市、東大和市、立川市(257票の僅差で落選)、あきる野市(88票差で当選)、青梅市
2020年 八王子市、府中市、福生市、目黒区、昭島市
2021年 西東京市(1514票の僅差で落選)、小平市(当選)、日の出町(当選)、日野市(1685票の僅差で落選)、東久留米市
2022年 練馬区(2147票の僅差で落選)、中野区(当選)、杉並区(187票差で当選)、新宿区。
2023年 前掲。
東京では首長選挙で共同を追求するのが当たり前になってきています。当選したのは、小平市、多摩市、武蔵野市、中野区、世田谷区、あきる野市(後に不信任決議)、日の出町、杉並区、檜原村の9自治体。中野区や杉並区に象徴されるように、住民運動が活発な地域です。
自治体議会でのオール与党の状況が長らく存在してきたもとで、国政だけでなく、自治体の変革めざす共同が大きく広がったことは今後の貴重な財産をつくり出したと言えます。
0 件のコメント:
コメントを投稿