安倍退陣を迫り、改憲を国民的大闘争で阻止し、政治変革の道を切り開こう
2017年7月18日 東京革新懇代表世話人会
はじめに
安倍首相は、秋の臨時国会に自民党改憲案を提出すると表明し、来年の通常国会での改憲の発議がねらわれるに至りました。
安倍政治に対する国民の怒りが噴出し、都議選において自民党は歴史的大敗北を喫し、世論調査でも内閣支持率が急落、不支持率が大幅に上回る状況となっています。
しかし、安倍政権は大きな打撃を受けながらも改憲推進の姿勢を変えていません。
もはや国民は安倍政権を見放したのであり、国民の支持を失った政権が国の基本たる憲法を変える策動するなど許されるものではありません。
「アベ政治NO」のたたかいを一気に強め、安倍首相を退陣に追い込みましょう。
今年から来年にかけて、文字通り国の行く末をかけた国民的大闘争が求められます。総がかり実行委員会は、「総がかりをこえる総がかり運動」を打ち出し、有権者過半数の署名も提起しています。
戦争法廃止の共同や総選挙に向けた市民連合等の共同をベースに、保守層も含めた改憲反対の国民的規模の広大な共同をめざしましょう。
そして、そのたたかいの中で、今後の運動を担うたくさんの人々を生み出し、総選挙で与党を少数に追い込む力関係をつくり出し、政治変革の道を切り開いていきましょう。
刻一刻と取り組みを広げましょう。
1、アベ明文改憲をめぐる情勢
<1-1>安倍首相は、憲法尊重擁護義務をかなぐり捨て、自民党内の議論経過も無視し、秋の臨時国会に自民党改憲案を提出すると表明。自民党憲法改正推進本部長の保岡興治氏は早ければ来年の6月頃改憲発議をめざすとしています。解散総選挙と改憲の国民投票の同時実施も画策されています。
市民と4野党の共闘が進むもとで、次期総選挙で改憲勢力が議席の3分の2を失う前に、改憲を強行しようとするものです。
<1-2>都議会議員選挙において自民党は歴史的な大敗北を喫しました。アベノミクスのもとでの国民生活の悪化、世論や野党の正論を押しつぶす強権的な政治に対する国民の批判をベースに、安倍首相の憲法蹂躙の言動と前のめりの改憲策動、森友・加計学園での行政私物化、共謀罪強行、稲田防衛相の違法発言など、驕り高ぶる安倍政権・自民党に対し、都民のはげしい怒りが噴出したものです。都議選では、野党共闘が各地で広がる貴重な前進もありました。
安倍政権に対する怒りは全国共通あり、内閣支持率も急落し、不支持が多数となっています。しかし、安倍首相は、打撃を受けながらも、改憲に固執しています。安倍政権批判を強め、解散・総選挙に追い込むたたかいの強化が求められます。
<1-3>安倍首相は憲法9条1項、2項を残し3項に自衛隊を書き加えるとしていますが、2項の制約が取り払われ、海外での武力行使に道が開かれ、「戦争する国」へと暗転していくことになります。「加憲」の公明党を取り込み、民進党の分断(前原誠司氏は9条3項加憲を掲げる)をねらうものです。また、自衛隊を容認している国民の意識につけ込み、国民を分断し、「自衛隊を書き込むだけだから問題ないだろう」と、国民を騙し、誘導しようとするものです。
安倍首相は、日本維新の会を改憲に抱き込むために「教育の無償化」について「自民党改憲案を提案できるようにしたい」としているが、財政措置を行えば現在でも出来ることであり、大学の異常な高学費を強い、高校授業料無償化にすら反対してきた自民党政治を棚に上げ、教育への統制強化をもねらったものと言えます。
緊急事態条項については、安倍首相は「極めて重く大切な課題だ」「緊急事態に際し衆院議員不在になる場合があることは重要な論点だ」「国会でよく議論してほしい」としています。
<1-4> 安倍首相の自衛隊明記という改憲案は、9条2項を実質的に空文化、死文化するために発想されたものです。9条2項を空文化、死文化することは、日本国憲法の大原則である平和主義を壊すものであり、改正の限界を超え、原理的に認められるものではありませんが、戦争法をつくったものの、憲法9条項を残したままでは、戦争法が予定する軍事大国への道には様々な障害があるため、これを解消しようというものです。
戦闘ではどうしても必要な命令に従わなかった場合の取り扱い、軍法会議や捕虜の扱い、「敵」を殺傷した際の刑事責任の問題、戦闘による味方の死者の顕彰などを、憲法の他の条項を超えて法定していくには、憲法の中に自衛隊を書き込むことが必要です。「後法は前法に優先する」という法の原則を使い9条2項を死文化することは、事実上、平和主義の下で基本的人権の尊重をうたった日本国憲法を廃棄するに等しいということができます。
<1-5>安倍政権は、メディア首脳との懇談、インタビューなどによるキャンペーン、重要な問題を隠し報道を誘導する情報リークなどを駆使して、世論の誘導、操作を日常的に行っています。新聞の広告やテレビのコマーシャルによる支配も陰に陽に行っています。改憲についても、70年代から「改憲」を主張し続けてきた産経と、1996年以来3度にわたって改憲案を発表し、安倍政権の下でいまや「安倍政権の機関紙か」と言われる読売新聞が先頭に立って、改憲をキャンペーンしています。今後、「改憲案のたたき台」とか「自民案に修正」などといった形で、本質的な論議を抜いたままの宣伝が広げられることも予想されます。
<1-6>憲法改定の「発議」が行われ、「国民投票」に入った場合、さまざまな問題が残されています。憲法改正国民投票法は2007年に成立しましたが、参議院は18項目の付帯決議をつけ、改正項目の関連性判断の在り方、最低投票率制度の検討、国民投票広報協議会の運営の在り方、公務員等の地位利用による国民投票運動の規制の再検討、有料広告規制の公平性確保等、基本的な多くの問題点について検討を求めていました。
しかし、その後の改正でも、最低投票率の定めもなく、公務員による運動や組織による運動のなど不当な制限を加える一方で、有料意見広告は野放しにするなど、改憲推進勢力に有利な仕組みになっており、重要な課題となっています。
<1-7>国民の憲法の意識は、NHKの世論調査(4月29日)では、「9条改正必要」25%、「改正の必要ない」57%、「どちらともいえない」11%。「憲法9条は日本の平和と安全にどの程度役に立っているか」の問いには、「非常に役に立っている」29%、「ある程度役に立っている」53%で初めて80%超えています。共同通信調査(4月30日発表)では、「(日本が戦後72年間、海外で武力行使をしなかった)」のは「9条があったからだ」75%、「9条があったこととは関係ない」23%。国民は戦後の平和に果たした憲法の役割を高く評価しています。
自民党・公明党支持者、保守層、経済界、宗教界、これまで運動に加わらなかった人々の中に、「憲法9条の改憲や戦争はダメだ」と考えている人は広範に存在します。その人々の中に共同をどう広げるかは重要な運動上のポイントです。
<1-8>7月10日に総がかり行動実行委員会が開催され、「安倍の9条改憲を阻止するため、総がかりを超える体制と運動をつくる」として国民的な結集体である「安倍改憲ノン!市民アクション(仮称)」の結成、9月8日中野ゼロホールでの大行動出発集会(仮称)、全国での組織化と学習運動の展開、有権者の過半数署名の展開、マスコミ・新聞広告運動、月1回の定例集会とポイントでの大集会の開催などを確認しています。
<1-9>2014年の総選挙で、立憲4野党合計票が自公を上回った小選挙区が60あり、それだけでも改憲勢力は衆議院の3分の2を失います。16年の参議院選挙1人区では、青森、山形は25%程度の差を逆転して野党統一候補が勝利しており、市民と野党の共闘の発展如何ではさらに与党を大きく追い込むことは可能です。
いま、全国で総選挙に向けた市民連合の結成が広がっており、埼玉県、千葉県、神奈川県ですべての小選挙区に市民連合が結成されています。
<1-10>東京では、戦争法反対・廃止、野党共闘めざす思想信条・党派を超えた共同が23区三多摩26市の合計49の全ての地域(町村と島嶼は把握できていない)広がるという全国的にも画期的な到達となっています。その共同をベースに25小選挙区中19区で、市民連合・準備会の結成や市民連合めざす集会などが広がっています。
14年12月の総選挙東京25小選挙区では、自公で23議席、民進1議席、維新1議席。立憲4野党合計票が自民・公明・次世代の合計票を上回ったのが12区、次世代の票を除くと4野党合計票が自民・公明合計票を上回ったのがさらに5区。僅差で自民党候補が4野党票を上回っている区もあり、たたかいの発展、しっかりした市民と野党の共闘ができれば、東京で与党を圧倒的な少数に追い込むことは充分可能です。
2、アベ明文改憲阻止に向けてどんなたたかいが求められるか
①
戦後最大の日本の岐路において、60年安保闘争、70年沖縄返還闘争、2015年安保闘争を上回る、大闘争として発展させることが求められています。
②
共同の拡大、有権者過半数をめざす署名運動、大規模宣伝、大規模集会等を通じて、改憲反対の過半数の世論を獲得する取り組みです。
③
アベ政治への批判を徹底して強め、安倍政権打倒、解散・総選挙に追い込み、改憲の発議を許さないたたかいが求められます。また、安倍政権下での貧困と格差の拡大などくらしの課題、社会保障や労働法制の課題、原発再稼働反対、沖縄新基地建設反対、TPP反対、教育の反動化反対などと改憲反対のたたかいを合流・発展させるたたかいです。
④
戦争法廃止の共同や総選挙に向けた市民連合の共同の到達を基礎に、「総がかりを超える総がかり運動」の提起を受け止め、保守層やこれまで運動に加わってこなかった人々に大きく共同を広げ、国民的規模の組織と運動をめざす取り組みです。保守系議員、地域の著名人・知識人・文化人、宗教家、商工業者・経営者、町会・自治会役員、老人クラブ役員などに賛同・共同を広げましょう。
⑤
革新懇、労働組合、民主団体などで、たたかいを担う人々を大きく広げ、この取り組みの中で今後の組織と運動を支える人々を生み出していきましょう。そのために、大学習運動が求められます。
⑥
青年層への働きかけと参加を重視し、今後の運動につなげましょう。
⑦
運動の発展、共同の拡大、市民と野党の共闘の発展を通じて、次期総選挙において、与党を少数に追い込む力関係の形成をめざします。すべての小選挙区で、総選挙を担う共同組織を結成、発展させましょう(改憲阻止でたたかう組織がそのまま選挙を担うこともあり得ます)。
⑧
1年余という短期のたたかいであり、全力を尽くした集中した取り組みが求められます。当面、方針を確立し、学習を急ぎ強めながら、宣伝・署名、集会等に取り組みつつ、保守層を含めた広範な人々に共同を広げることが重要です。
3、東京革新懇としての取り組み
①
東京革新懇改憲阻止闘争方針を提供し、地域・職場革新懇、協力・賛同団体、世話人にたたかいの強化を呼びかけます。
②
東京革新懇代表世話人会として明文改憲とたたかうアピールを発表します。
③
「安倍改憲ノン!市民アクション(仮称)」の結成、9月8日中野ゼロホールでの大行動出発集会(仮称)等の取り組みとの連携を強めます。
④
アベ改憲とたたかう東京の共闘組織について協議を進めます。東京革新懇として、著名人、保守層、宗教者等への呼びかけについて具体化します。
⑤
「憲法改悪に反対する東京共同センター」への結集を強め、東京全域のたたかいの発展をめざします。
⑥
組織強化基金をたたかいの資金として発動するとともに、大規模カンパも使途を明確にしながら呼びかけます。
⑦
シール、リーフ(ビラ)を早期に作成し、無料ないし低価格で提供します。秋の一定の段階でポスターを作成し提供します。
⑧
9月30日の「東京革新懇地域・職場・団体学習交流会」を、各地域・団体の方針と実践を持ち寄り、明文改憲とたたかう一大決起の場とします。地域革新懇のない地域を含め全地域からの参加をめざします。
⑨
メール・FAXニュース、定期版ニュースを質量ともに拡充し、各地域・団体の取り組みを伝え、首都東京におけるたたかいの発展に寄与することをめざします。SNSの活用を呼びかけます。
⑩
このたたかいの中で、全ての地域に地域革新懇の再建・結成をめざします。
以上
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