都議選・参院選の結果について
今こそ求められる「三つの共同目標」に立つ運動のうねりを
東京革新懇代表世話人 三上満
自民の大勝と対抗軸の共産の躍進
6月の都議選、7月の参院選と、日本の政治は大きく動きました。いずれにおいても結果の基本点は、自民党の大勝、その対抗軸である日本共産党の躍進ということです。
6月の都議選、7月の参院選と、日本の政治は大きく動きました。いずれにおいても結果の基本点は、自民党の大勝、その対抗軸である日本共産党の躍進ということです。
このふたつの選挙は、昨年12月に成立した安倍政権が、財界、アメリカ言いなりの姿勢をいっそうあらわにし、景気と経済、原発、憲法、TPPなど、国政の重要課題で、国民の願いに背く暴走をはじめるという状況の中でたたかわれました。
アベノミクスに対する期待
自民党は確かにふたつの選挙で「圧勝」しました。それは、ひとつは民主党があまりにも国民の期待を裏切り支持を失った結果であり、また第三極といわれる勢力が、自民党補完勢力であることが国民に見抜かれた結果です。
そしてもうひとつは、アベノミクスという「思い切った」景気対策が、一時的な円安、株高という結果を生み、「何か変えてくれるのではないか」という期待感を広げた結果です。しかもこの「圧勝」は、衆院小選挙区と同じ意味合いを持つ「一人区」での議席獲得によって得られたものです。
自民党は「安定した政治」「決められる政治」を強調しましたが、その政治は消費税引き上げ、年金・社会保障の切り下げ、原発再稼働、TPP参加など「決めれば決めるほど」国民の要求とかけ離れたものになっていくでしょう。
一方躍進した日本共産党は、アベノミクスを批判し、「国民の所得を増やして真の景気回復を」「原発即時ゼロ、自然エネルギーへの転換を」など、自民党政治と正面から対決する対案を出し、このふたつの選挙を「オール与党対日本共産党」(都議選)、「自共対決」(参院選)と位置づけてたたかいました。日本共産党の躍進は、こうした姿勢と政策が、自民党政治の暴走に不安を抱く人びとの心にひびき、さらに「選択肢がない」と諦めていた人びとにも「このさい共産党にいれてみよう」という支持を広げていった結果と考えられるのです。(写真は最終盤の池袋街宣)
特筆すべき自民政治に対決する東京2議席
とりわけ参院東京選挙区では、吉良よし子氏が三位でしめたばかりでなく、共産党の比例得票では77万票超と自民党につぐ第二党になるという結果を生みました。国民(都民)の要求の先頭に立って運動と共同を広げてきた姿が、「存在感」を大きくしたのです。
東京ではさらに、原発反対、TPP参加反対、憲法9条守れなどの点で、革新懇の政策と合致する無所属候補の山本太郎氏が当選しました。結果として5議席中2議席を、自民党政治と対決する候補者が占めたことになります。これは全国的に見ても特筆すべきことです。
革新懇の運動の飛躍を
革新懇は「特定の政党を支持しないが、三つの共同目標に合致する政治勢力の前進を期待し、加盟団体、個人が総意をつくしてたたかう」ということを基本として、この二つの選挙にのぞみました。この目標は大きく前進しました。
しかしこのふたつの選挙戦が切り拓いた新しい局面は、また端緒的であり、変革への歩ははじまったばかりです。自民党圧勝という事実の重みをしっかりと受けとめ、いわばハラを固めなければなりません。都議会、国会内に築かれた砦も、大きな国民的運動があってこそ、その力を発揮することができるのです。ふたつの選挙結果をあらたな力にし、「革新懇の出番」を合言葉に運動をいっそう大きく広げていこうではありませんか。
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