認可保育園入園求める運動
杉並区を動かす 杉並区役所で
待機児童の深刻な実態
2月中旬、認可保育園に入園を求める保護者の元に入園選考結果が通知されました。 保育園に入園出来なかった保護者の多くは「両親のどちらかが仕事を辞める」「遠方の実家に子どもを預け、週末だけ子どもと過ごす」等の悲惨な状況に追い込まれています。
また、認可保育園に入園出来ないために「認可外保育施設を60園、100園も回って空きを探す」等の厳しい『保活』(保育所探し)も大きな問題となっています。
こうした深刻な実態のもとで、杉並区で保護者が勇気をもって声をあげたことにより、事態は大きく動き出しました。
母親たちの異議申し立てが区を動かす
現在の待機児童問題の根本的な原因は、東京都や各自治体が10年以上にわたり認可保育園の整備を怠ってきた結果です。杉並区では、前区長時代から認可保育園の整備をすすめず、臨時的な認可外保育施設設置で対応をしてきました。
待機児童が増え続けるなか、切実な実態を抱える保護者が少しずつ集まり、不安や悩みを交流し合いながら、「保育園ふやし隊@杉並」を結成し行動を開始しました。
杉並区が募集した認可保育園定員は1135人、3倍近い2960人が応募。入れなかった保護者は区庁舎前で集会を行ない、「子どもを保育園に入れてほしい」「保育園を増やして」等の保護者の切実な訴えは、議会でも大きな問題として取り上げられました。
また、杉並区に対し行政不服審査法にもとづく「異議申し立て」も行ない、保護者の行動は、連日、マスコミにも取り上げられました。
杉並区は、緊急対策として認可保育園の定員弾力化により150人の定員増と、来年4月開設をめざし認可保育園の増設を打ち出しました。
保護者達は、子どもを安心して預けられる認可保育園の大幅増設を求め第二次異議申し立てを行うなど、引き続き運動を続けています。
ネットを利用したつながりを活かして
保護者の繋がりは、インターネットツール(SNS)を通じて広がっています。ネット上での交流や行動の呼びけが、次から次へと保護者に拡散し、広範な保護者を集めるきっかけとなりました。数人で始まった活動が百数十人の規模に膨れ上がり、大きな運動となっています。
ライバルの関係を乗り越え、
後に続く保護者のためにも
後に続く保護者のためにも
「保活」などの厳しい保育所探しの実態は、保育園入園を求める保護者同士をライバルの関係に追い込みます。多くの保護者が孤独を感じ、苦しんでいるのが特徴です。
しかし、多くの保護者が分断を乗り越え、同じように苦しむ保護者のために、立ち上がり始めています。「後に続く妊婦さん達に同じ思いをさせたくない」「自分の子どもが入園できたからイイや…ではなく、入れなかった保護者のためにも、動かなくては」と保護者同士の連携を深めています。
今、多くの困難を乗り越え、立ち上がった保護者の行動を、世代を超えた連帯で後押しする事が、強く求められます。(山田耕平杉並区議会議員)
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